手塚治虫の漫画原作である実写映画『ばるぼら』を観た。
『ばるぼら』 ミステリアスな映像世界。 アル中とヤク中の性欲物語。 監督:手塚眞 出演:稲垣吾郎 二階堂ふみ 渋川清彦 |
手塚治虫が1970年代に発表した大人向け漫画『ばるぼら』を、稲垣吾郎と二階堂ふみの主演で初映像化。
『ばるぼら』は、1973年から1974年に「ビッグコミック」で連載。
『ばるぼら』 |
謎めいた少女と暮らす小説家の、愛と狂気の寓話を美しい映像で描き出す。
手塚治虫の実子である手塚眞監督とウォン・カーウァイ作品で知られる撮影監督クリストファー・ドイルがタッグを組んだ。
『柴公園』シリーズなどの渋川清彦、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』などの石橋静河らが共演。
2019年製作/100分/R15+/日本・ドイツ・イギリス合作
配給:イオンエンターテイメント
異常性欲に悩まされている耽美派の人気小説家・美倉洋介は、新宿駅の片隅で酩酊状態の少女ばるぼらと出会い自宅に連れて帰る。
大酒飲みで自堕落なばるぼらに呆れながらも、美倉は彼女に奇妙な魅力を感じ追い出すことが出来ず、不思議な魅力に惹かれていく。
何よりも彼女と一緒にいると、美倉は不思議と新たな小説を創造する意欲が沸き起こるのだ。
尊敬する手塚治虫先生が原作の『ばるぼら』は漫画を読んでおらず、先入観なしで映画を観ることに。監督は手塚治虫先生の息子である手塚眞、撮影はウォン・カーウァイ作品でお馴染みのクリストファー・ドイルなので、駄作にはならないであろうと推測。
「ばるぼら」と名乗る女性が現実に存在する者なのか、幻影なのか、それとも小説の物語での仮想なのか、その真意はわからない(わからせる必要もない)が、妖しい雰囲気が漂う映像世界を楽しめる映画であった。
稲垣吾郎が演じる作家の美倉は性欲の渦に吞み込まれていく。
人気作家という立場と自分の理性を保っているような男が、幻影に惑わされて、踏み入れた先から後戻りが出来なくなる。
まるでスタンリー・キューブリックの『アイズ・ワイド・シャット』を思い出させる世界観。
それにしても、二階堂ふみのアル中ぶりが凄い。街中でもウイスキーのボトルをラッパ飲み。平気で地べたに座りこんだり寝転がったり。中身はいつも3割位しか入っていないのが不思議。全然減らないのか。毎度、7割飲み続けているのか。ボトルがいっぱいな時が全然ない。
美倉先生は大麻所持がバレちゃって警察に捕まるし。
アル中とヤク中の性欲映画じゃね~か。
しかしながらクリストファー・ドイルの巧みな撮影技術もあって、漫画原作は読んでいないが雰囲気のある『ばるぼら』実写化を、性交だけに成功したと言えるだろう。
稲垣吾郎と二階堂ふみというキャスティングも良かった。
もちろん漫画原作も読んでみたくなった、といったところで「カット、カット」。
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