『101匹わんちゃん』の悪役クルエラが主人公の『クルエラ』を観た。
『クルエラ』 悪に目覚めるクルエラの魅力。 復讐のファッションショーが爽快。 監督:クレイグ・ガレスピー 出演:エマストーン エマ・トンプソン、 ジョエル・フライ |
ディズニーアニメ『101匹わんちゃん』の悪役クルエラ誕生秘話を、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーン主演で実写映画化。
エステラの運命を大きく変えるカリスマデザイナーのバロネス役を『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『美女と野獣』のエマ・トンプソンが演じる。
『キングスマン』シリーズのマーク・ストロングらが共演する。
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』『ラースと、その彼女』のクレイグ・ギレスピーが監督を務める。
2021年製作/134分/G/アメリカ
原題:Cruella
配給:ディズニー
1970年代、パンクムーブメント真っただ中のロンドンで、デザイナー志望のエステラ(エマ・ストーン)は、夢と希望を胸にデザイン画の制作や裁縫に全力で取り組んでいた。
カリスマ的なファッションデザイナー、バロネス(エマ・トンプソン)との出会いをきっかけに、エステラは狂気に取りつかれた“クルエラ”へと変貌していくことになる。
101匹わんちゃんの映画は一切観たことはないが、その映画の悪役であるクルエラを主人公にした本作を観た。
自分語りのナレーションで生い立ちからクルエラになるまでを描いていく物語だが、『ハーレイ・クイン』に通ずるものがある。『ハーレイ・クイン』でも自分語りをしながら物語を進めていった。
クルエラの比較対象になるのは、もちろん『ジョーカー』だ。悪には悪になるだけの理由がある。
クルエラもジョーカーも不遇な境遇で生きてきた。また両者とも母親を想う優しき心を持っている。大きな心の傷を負い、その精神の限界が頂点に達した時「悪」に目覚めるトリガーが引かれるのだ。
悪までの過程を見せることで、何故か観ている者は「悪」に感情移入していく。
「悪」になっていく過程の中で主人公は更なる「巨悪」に立ち向かっていくのだ。
クルエラはバロネスという巨悪に立ち向かっていく道中で、悪に化身していく。
自然と正義ではないクルエラに魅力を感じて、クルエラを応援している。
オープニングでのクルエラの母が崖から転落するシーンでは、「何て安直な死に方なんだ!」「テキトーだな」と思ったが、それは僕自身の思考が安直であり、崖から転落するシーンはクルエラの物語にとってめちゃくちゃ重要なシーンであった。
バロネスが犬笛を吹いて母を殺害したこと。その真実を知ることでクルエラは変貌していく。
またラストでクルエラがバロネスを追い詰めていくシーンも見事であった。
クルエラがファッションのデザインでバロネスに認められて、更にはファッションでバロネスへの復讐をしていく光景は、派手な演出で映画を盛り上げて非常に良かった。
続編も製作が決定しているらしく、どんな物語に発展していくのか非常に楽しみである、といったところで「カット、カット」。
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