みうらじゅんさんの自伝的小説を原作を基に映画化した『色即ぜねれいしょん』を観たのだ。
『色即ぜねれいしょん』 悶々とした男子高生のおバカ青春映画。 カッコ悪い青春が心をくすぐる。 監督:田口トモロヲ 出演:渡辺大知(黒猫チェルシー) 峯田和伸(銀杏BOYZ) 岸田繁(くるり) |
みうらじゅんの自伝的青春小説を田口トモロヲが監督を務め映画化。
『色即ぜねれいしょん』
みうら じゅん (著) |
2000人を超えるオーディションから選ばれた高校生バンド黒猫チェルシーの渡辺大知が主演を務める。
23年ぶりの映画出演となる堀ちえみ、リリー・フランキー、銀杏BOYZの峯田和伸、くるりの岸田繁らが共演。
2009年製作/114分/G/日本
配給:スタイルジャム
1974年京都の仏教系男子校に通う高校生・乾純(渡辺大知)は、ボブ・ディランに憧れロックな生き方を目指しつつも、幸せな家庭で何不自由ない平凡な日々を送っていた。
そんなある日、同じ文科系の友人に旅に行こうと誘われ、夜行列車とフェリーを乗り継ぎ浮かれ気分で隠岐島を訪れた彼らを待っていたのは・・・。
みうらじゅんさんが原作ということで観た本作。男の子のバカさがふんだんに詰まった青春物語。
主演は渡辺大知でピッタリの役どころ。ミュージシャンであるが、役者としてかなり貴重で稀有な存在。
みうらじゅんさんの自伝的な物語なので仏教系の男子校という、みうらじゅんさんにしか書けない物語である。
ボブ・ディランに憧れギターを弾き、童貞の悶々としたモヤモヤをフリーセックスを求めて隠岐島へ行く単純思考が、可愛くもあり笑わせてくれる。
隠岐島で出会ったオリーブという女性の白い水着から陰毛が透けて見えたシーンは、思わず「透け過ぎやろっ!」とオリーブに同情してしまうレベルの恥ずかしさ。
超脇役で安藤サクラが登場するのもビックリ。この頃はまだ無名だったのか。数年後、リリー・フランキーとカンヌグランプリ作品で共演するのだから感慨深い。
勉強そっちのけで人生の教訓を教えてくれる家庭教師と、隠岐島で出会った優しいヒゲゴジラは、高校一年生の男子からすれば色んな物事を知っている頼れるアニキみたいな存在。少しの悪さや遊びを知っている大人がカッコ良く見えるものだ。
物語に大きな盛り上がりがあるわけではない。随所に散りばめられた甘酸っぱくカッコ悪い青春が心をくすぐる。
童貞を捨てるチャンスがあるようで上手く行かない、モゾモゾしたひと夏の青春。
ラスト、文化祭のステージでギター一本で一人歌い上げたシーンに全てが詰まっている。
みうらじゅんさんならではの物語と田口トモロヲ監督の演出と渡辺大知の雰囲気が心地イイ。
自分の高校生の頃を思い出すような「おバカ青春映画」である、といったところで「カット、カット」。
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