8日、静岡市立美術館で開催されている『さくらももこ展』に行ってきたのだ。そんなの常識、タッタタラリラ♪
「キヨスクは駅の中」だが、静岡市立美術館は静岡市葵区紺屋町の葵タワー3Fにある。
全国巡回中の本展で作者の出身地である静岡県で開催されたのは感慨深い。
国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』は、お茶の間の老若男女に愛されている。
約300点もの展示で、さくらももこ先生の全仕事に迫った展覧会だ。
原作コミックを読んだのは『ちびまる子ちゃん』のアニメが放送され大人気になり主題歌等も大ヒットした頃で、今回の『さくらももこ展』で生原稿を初めて目にして改めて作品を見たが、その丁寧で細やかなタッチに少々驚いた。
失礼ながら「もっとラフで簡単に」描いている印象があったので、一枚一枚の原稿がきめ細やかで優しさに包まれた原稿だったということに気付かされた。
「その50 まる子 ノストラダムスの予言を気にする の巻」等、扉絵の芸術作品っぷりも凄い。
館内は基本的に写真撮影禁止で作品は撮ることが出来ないが、少しばかり写真撮影可能スポットも設けられている。
さくらももこ先生のプロの仕事を見られる貴重な展覧会は、漫画やエッセイを読んでいた読者層に深く刺さるもの。
一方気になったのは子供を連れて見に来られた家族の方の姿がチラホラ見え、作品展示が大人目線で展示されているため子供には少々見えづらい。いずれも漫画の原稿サイズぐらいの大きさの展示作品なので、やはり子供には見えづらいかな。
アニメを通してファンになった子供たちが楽しめるスポットや写真撮影スポット等の仕掛けが欲しかったと言えば、今回の「さくらももこの全仕事にせまる」とのコンセプトとはズレてしまうのかもしれない。決して本展は『ちびまる子ちゃんランド』ではない(因みに『ちびまる子ちゃんランド』は静岡市清水区のエスパルスドリームプラザ 3Fにある)。
さくらももこ先生の作品で何と言っても面白く魅力的なのは、キャラクター一人一人のおトボケ感だ。
小学校のクラスメイトの同級生たちのおトボケ感が可愛らしいのと同等に、この世界の大人たちも総じておトボケ感いっぱいである。
おバカな言動と心の声、そして顔面蒼白の沈黙の間。もう思わず笑わずにはいられない。
『COJI-COJI』は読んだことがなく作品内容については知らないが、ほのぼのとした雰囲気に、さくらももこ先生の人柄が見えてくる。
どれもこれも丁寧に描きこまれ、線のひとつひとつが細やかで優しい。
さくらももこ先生の生原稿を間近で見ることの出来る非常に貴重な展覧会だ。
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