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最近観た映画4本。面白いんだけど、もどかしい。

ールデンウィークなので、ここぞとばかりに映画を観ている。

どんどんレビューをしていこう。

『その夜の侍』
結末まで煽っていた分、
この結末では納得出来ない。

監督:赤堀雅秋
出演:堺雅人, 山田孝之, 綾野剛, 谷村美月

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だいぶ引き込まれた。

堺雅人が山田孝之に復讐をする。

前半からずっと「復讐の決行日」に向けて、観ている側の緊張感や気持ちを高揚させてくれるのだ。

山田孝之演じる男が、かなりのクズっぷりで悪役。

何故か個人的にも、こいつに制裁を喰らわせねばならぬと思う。

気持ちを高めていた分、やはりこの結末では納得出来なかった。

例えば、女性とデートをしていて楽しくて盛り上がっていたのに、お泊り直前で「帰んのかい!」みたいな。

「盛り上がった気持ちは、どうしてくれんねん!」みたいな。

そんなガッカリ感。

堺雅人の顔芸は面白いし、山田孝之のリアリティーある怖さも良かった。

山田孝之の凶暴な人間性に、何故かその周囲の人達が支配されていく。

単純に凶暴だからだけではなく、どこかしらこの人間に魅力を感じている。

退屈な日常が、この男といることでエキサイティングになる。

一緒にいたくないが、何故かまた一緒につるんでしまう。

覚醒剤みたいな男である。

あと、気になったのはキャスティング。

かなりイイ役者陣で固めすぎたなぁ、と。

堺雅人、山田孝之、綾野剛、新井浩文、その他脇役陣。

出てくる役者陣が、良過ぎる。

気持ちはわかるが、「もうちょっと冒険してしほしい」。

もっと観る人に意外性を与えて欲しい。

絶対にハズレのないカードばかり揃えることは、冒険心がない。

全体的にはすごく面白かったが。

 

『空海』
真面目にすればするほど、
笑ってしまう。何の感動もない。

監督:佐藤純彌
出演:北大路欣也, 森繁久彌, 加藤剛, 小川真由美

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ツッコミどころ満載だし笑いどころ満載。

日本の昔の映画を観ていると「ま、昔の作品だから仕方ないか」とか思ってしまうが、「いや昔のハリウッド映画はちゃんとしてるやん」って思う。

本作の『空海』なんて最悪で、大作を無理矢理作ろうとしているが、空回りし過ぎて『空回』である。

これならNHKで歴史番組を観ていた方がよっぽど面白い。

本作を観ても何も空海のことはワカラナイ。

インチキ教祖様を皆で崇めている感じ。

 

『ナイトミュージアム』
一定の面白さは約束されている。
安心して最後まで楽しめる。

監督:ショーン・レヴィ
出演:カーラ・グギーノ, ディック・ダイク,ロビン・ウィリアムズ, ベン・スティラー

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観る前から、ある一定の面白さを約束されている。

だからこそ安心して観られるのだが、観ている側のワクワク感にはならない。

ケンカが強い相手のはずなのに、相手のパンチが全部見えている。

パンチはヒットするが、決定的なダウンにつながるパンチではない。

ドリフターズのコントは面白いが、観ている側は定番化された笑いのパターンは知っているみたいな。

ある一定の面白さを約束されている分、安心して最後まで観られるが、それ以上は難しい。

 

『神さまの言うとおり』
残虐表現もいいが、
ちょいと人間をバカにしてる。

監督:三池崇史
出演:福士蒼汰, 山崎紘菜, 神木隆之介, 染谷将太

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『バトルロワイアル』での公開時に中学生が殺し合うという設定や映画の残虐性で話題になり、『悪の教典』では教師が生徒を大量殺人していく内容でまた物議を醸し出したことがある。

個人的にはそんな設定も物議もどうでも良くて、観たい人は観ればイイし観たくなければ観なくてイイと無責任かもしれないが、そう考える。

こういったジャンルの映画を観て、犯罪に行動を移す人間がいるのか?それはワカラナイ。

キレイごとばかりの映画を観て、「くだらねぇ」と悪意を抱く人間もいるかもしれない。

『神様の言うとおり』では、ゲームをクリア出来ないと生徒がどんどん殺されていく。

その設定は別に気にならないし、全然楽しんで観ることが出来た。

しかし正義感を振りかざす主役の男と女が人間をバカにしている。

悪役を演じる神木隆之介の方が全然好感を抱けるのだ。

世の中で一番タチが悪いのは悪党ではなくて、アホが振りかざす正義感である。

神木隆之介がゲームをクリアして喜ぶシーンはイイ。

スリルを味わいながら、選ばれし者が残っていってそこにゾクゾクする異常性がある。

主役の男と女はダメ。

他の生徒達が殺されていくことに正義感を振りかざしておいて、結局アイスを食べながら「映画でも観に行こうね」なんて言いながら談笑している。

このアホな異常性こそ問題で人間をバカにしている。

自分の命が助かり大切な人の命が助かったとしても、多くの人間やクラスメイト、友だちが殺されていったのは事実であり、絶対に笑えない状況なのだ。

自分の命が助かったとしても、一生のトラウマになるだろう。

笑いながらアイスを食べることなんて出来ないし、クラスメイトが死んでいった光景を思い出したら日常生活に戻ったとしても精神的なケアは難しい。

殺す側の残虐性よりも、主役側の「自分が良ければ、周りはどうでもいい」というその冷酷性に異常を感じざるを得ない。

それは作り手の描き方に一番問題があり、作り手が人間を大いにバカにしているのだ。

 


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