世の中には面白い映画がいっぱいあるのだなぁ。
『ゆきゆきて、神軍』 強烈な個性と正義感の暴力。 命がけのドキュメンタリー! 監督:原一男 出演:奥崎謙三 |
戦争を体験した奥崎さんは、かつて独立工兵隊第36連隊のウェワク残留隊に所属していたが、隊長による部下射殺事件があったことを知り、殺害された二人の兵士の親族とともに処刑に関与したとされる元隊員たちを訪ねて真相を追い求める。元隊員たちは容易に口を開かず、奥崎さんは時に暴力をふるいながら証言を引き出す、というドキュメンタリー。
奥崎さんの車には「田中角栄を殺す」という物騒な看板を掲げてあり、いかにも常人ではない強烈なものを感じさせる。
しかし奥崎さんの話す口調は柔らかく、「あー、この人穏やかな感じの人なんだなぁ」と、ちょっぴり安心させておいてから、突然、凶暴化するのだ。一番ヤバイ奴。
正義感の強さが、時には暴力を生み出す。
そこに、この人の矛盾があるのではないか。
戦争は、お互いに自分が正義だと主張するから止まらない。
正義感の強い人ほど争いが多い。
正義感が強ければ強いほど、相手を許せない。
奥崎さんのやり方では、また争いを生み、解決には至らない。
最高に強烈で見応えがあり、見終わった後も、ずっと考えさせられるドキュメンタリー作品。
『カリートの道』 カッコイイ。 全てはデ・パルマの演出力。 監督:ブライアン・デ・パルマ 出演:アル・パチーノ, ショーン・ペン,ペネロープ・アン・ミラー, ジョン・レグイザモ |
ラスト、電車やエスカレーターでのシーンは圧巻。
カメラワークやスローモーションなど、見せ方がイチイチカッコイイ。
『スカーフェイス』に続いてのアル・パチーノとのコンビは最高。三船、黒澤コンビのような名コンビ。
『マイク・タイソン THE MOVIE』 ただの凶暴ゴリラだと思っていた。 内面は繊細で孤独な男だった。 監督:ジェームズ・トバック 出演:マイク・タイソン |
マイク・タイソンと言えば、僕の少年時代からの大スター。モーレツに強いボクサーで、パワフルであり、とにかくぶっ飛んでいた。
しかしタイソンのインタビューを聞いていると、その内面は繊細で孤独な男だった。誰も信じられないという精神の中で、自分も信じられなくなっていたタイソンに共感する。
タイソンのようなスーパースターでもそんな苦悩があるのかと思ったが、スーパースターであるが故に、苦悩と孤独があるのかもしれない。
タイソンの凶暴性の裏側を知れることが出来る、なかなか興味深い作品。
『スイス・アーミー・マン』 良く出来た映画ではあると思うが、 何なの?これ?意味わからん。 監督:ダニエル・シャイナート, ダニエル・クワン 出演:ダニエル・ラドクリフ,メアリー・エリザベス・ウィンステッド, ポール・ダノ |
何だかさっぱりわからなかった。海外の人がゲラゲラ笑うような作品であることは何となく感じて音楽と映像のお遊びは面白かったが、どうも納得のいかない物語であった。
この二人の友情に「感動する」とか何とか評価されているが、全然感動しなかった。
下品な描写もすごい不快感。オナラの音やウンコとか、そういう表現があるだけで観るのが苦痛になる。バラエティー番組での芸人のトークで、ウンコの話とかよくあるが、あんなのも聞いてられない。食事しながら観てる時もあるし、とにかく不快なのだ。
悪くはないが、不思議な作品。
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