多忙になればなるほど色んなことをどんどんやりたくなる。
映画も観たいが、かなりペースダウン。
さて最近観た映画4本の感想を。
『愛しのアイリーン』 映画の完成度は素晴らしい。 だが残酷な物語は辛すぎる。 監督:吉田恵輔 出演:安田顕,ナッツ・シトイ,河井青葉,ディオンヌ・モンサント,福士誠治,品川徹,田中要次,伊勢谷友介,木野花 |
ほぼ完璧な作品で、流石は吉田恵輔監督。
だが観ているのがとても辛く、絶望や残酷、地獄に追い込まれていく状況は非常に心苦しかった。
アイリーン役のナッツ・シトイさんは演技も上手く、ちょうどイイ感じのビジュアルで最高のキャスティング。
しかしフィリピン女性のアイリーンが日本人に暴力を振るわれている様は、かなりキツく酷い状況にいたたまれない。
本作の暴力はスカッとするものではなく、重くイヤな想いになってしまう。
安田顕さんがどんどん暴走していく。その姿を観るのもなかなか辛かったのだ。
『生きる街』 震災後の被災者の暮らしを描く。 笑顔と一筋の涙、榊監督の繊細な表現。 監督:榊英雄 出演:夏木マリ, 佐津川愛美, 堀井新太 |
震災後、被災者である夏木マリ演じる千恵子とその子供たち。子供たちは地元を離れ、それぞれの暮らしの中で生きているが、心の中にある震災の傷跡は癒えていない。千恵子は地元で暮らして、津波で流された夫の帰りを待つ。
それぞれの震災後の暮らしと、それぞれの心情を丁寧かつ繊細に描く榊監督の映像表現が素晴らしい。
千恵子は明るく笑い、健気に生きて、時に一筋の涙を流す。
夏木マリさんは、やはりカッコイイ。
強く生きていく女性を演じていて、少しばかり弱さも見せる。
難しい役どころを夏木マリさんの元々備わっている魅力や人間力が、更にもっともっと深いものにさせる。ただそこに存在するだけで、画(え)になる人だ。
『ごっこ』 顔面凶器千原ジュニア。 可愛い女の子の切ない物語! 監督:熊澤尚人 出演:千原ジュニア, 優香, 平尾菜々花 |
『ごっこ』は、漫画原作もの。いつものことだが漫画原作は読んでいない。
『ごっこ』
小路 啓之 (著) |
漫画は読んでいないが個人的には凄く良い実写化だと思った。
引きこもりニート役の千原ジュニアは、見るからに危険性をはらんだ顔面凶器の持ち主。
そのギャップも相まって可愛い女の子との「親子ごっこ」が、壮絶な違和感を醸し出しつつも見事なる作品に仕立てあげている。
千原ジュニアの危険性は、切なく哀しく、狂おしいほどに愛しくさせる。
これが千原せいじであったのなら、おもくそコメディーになってしまう。
千原ジュニアや子役の女の子の演技も良かったが、ちすんという女優の演技が最高に良かった。
最初からずっと不吉な雰囲気に包まれた本作だが、終始何とも言えない「絆」が確かにあった。
因みに漫画原作の小路啓之さんは2016年10月20日に亡くなられたが、『ごっこ』の映画公開は2018年10月20日で小路啓之さんの命日である。
ギャラの未払い等、お蔵入りになるのか??と言われていた作品であったが、年月を経て無事に公開されて良かった。
『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』 残酷描写と鬼気迫るケイジの顔はGood! 妖しい雰囲気にはノりきれなかった。 監督:パノス・コスマトス 出演:ニコラス・ケイジ, アンドレア・ライズブロー, ライナス・ローチ |
めちゃくちゃ期待していた作品だっただけに拍子抜け。
ニコラス・ケイジが大暴れしてハードなアクションで気分爽快!!みたいなイメージを勝手に頭に描いていた。
しかし大暴れするまでの前半が長い。妖しい雰囲気の中で催眠術にかけられているようで睡魔が何度もやってきた。「あれ?こんな映画だったの?」と思ったのは勝手なる勘違いした自分が悪かったのか。
後半でやっとニコラス・ケイジが大暴れしてくれるが、ノリノリのアクション的な音楽ではなく、やっぱり怪しい音楽が流れていて気分爽快にはならない。
ニコラス・ケイジの鬼気迫る表情は良く残酷表現も良かったが・・・。
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