僕は龍神を描きたいと思った。
描きたいと安直に発言するには、あまりにもテーマが大きすぎた。
全身全霊で描いてみようと思ったのだ。
僕の生まれ育った地は奈良県だ。今回、4年ぶりに実家へと帰省するタイミングがあったので、奈良県は室生寺に行く事にした。
室生寺のすぐ近くには「龍穴神社」という神社がある。そこは空海が修行した場とも言われて、空海は様々な龍神伝説を残している。室生寺は、龍穴神社の神宮寺とされているのだ。
古来、龍神の力を借りた多くの先人たちが願望を成就させて成功を手にしてきたという。武将や経営者、政財界人等、挙げればキリがない程、多くの成功者が龍神の力を借りてきたのだ。
奈良県宇陀郡室生村にある室生寺は、女性の入山を許した、もう一つの高野山である。
高野山は、和歌山県北東部にある真言宗の霊地。空海が高野山に真言宗の総本山金剛峯寺を建立したのが平安時代はじめ。高野山は聖なる場所とされ多くの僧侶が修行に励んだ。
原則として女性は入山を許されず女人禁制だったのである。
しかし女性もそれぞれ生きる上で悩みを抱えている。
高野山に限らず多くの寺院で女性の参詣や修行を禁じているところが多く、そんな時代に女性を受け入れたのが室生寺だ。
室生寺は、いつの頃からか「女人高野」と呼ばれるようになった。
僕の目の前には、遥かそびえ立つ長い長い階段があった。この急な階段を全て上りきるのは、なかなかの心臓破りであった。
途中、五重塔がある。
高さは約16メートル、屋外にある五重塔では日本最小だという。
階段を上りきった先にある奥の院に辿り着いた時には、なかなかの体力消耗であった。
室生寺で参拝した後、僕は龍穴神社に行ったが、奥宮までは行かなかった。
そこにはどんな世界が待ち受けていたのかわからない。
だけど本殿はかなりのパワースポットらしく本殿までしか行かなかったが、今回は良しとしよう。
近々、僕は龍神を描く。墨と筆で、全身全霊で描く。その為にも室生寺と龍穴神社に訪れてみたかったのだ。
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