日本初となる本格的なバスキアの展覧会が六本木の森アーツセンターギャラリーで開催中なので、バスキアに対しては興味はなかったのだが、ZOZOの創業者である前澤さんが123億円で落札したという作品も展示される事もあって、これもいい機会だと思って見に行ってきたのだ。
六本木に着いた時には当日チケットを購入するのに60分待ちという大盛況ぶり。
3階のチケット売り場での購入者の列が、地下まで続いているんだから驚きだ。
何かと世間を騒がすZOZOの前澤さん効果もあってなのか、バスキアは日本人にも大人気だ。バスキアファンも多いのだろう。
ジャン=ミシェル・バスキアは、わずか10年ほどの活動期間で3000点を超えるドローイングと1000点以上の絵画作品を残したのだ。
1988年に27歳の若さで亡くなった彼は、死後に評価が軒並みに上がる事になった。
会場内は基本的には写真撮影NGなのだが、一部撮影OKな作品もあったので作品を紹介させていただく。
アートは表現が自由なので感性を遺憾なく発揮させるべきだから、バスキアはその感性のままに作品を手掛けている。
下の写真の作品が前澤さん所蔵の123億円の絵だ。
2100円の入場料で作品を拝めるなんて有難い事だ。
う~ん、しかし僕にはさっぱりわからない。
確かに面白いのかもしれない、という気もしないではない。
なかなか理解しがたい。
ウォーホールの作品も僕はよくわからないので、好みの問題かもしれない。きっと好きな人は強烈なほど好きなのであろう。
周囲の人たちが感心しながら見ている状況に、僕は混乱してくるのであった。
わからない。意味不明である。いや意味なんて考えない方がいい。
だんだん腹が立ってきたのであった。
全ての作品を見終わって、僕は怒りを覚えながら会場を後にした。
「あー、素晴らしい!!」という感想を持つ事も自由であれば、「わからない」という感想を持つ事も自由だろう。
「わからないヤツはわからなくてイイ」というスタンスなのかもしれないが、やっぱりわからない。
しかしバスキアの作品には異常なまでのパワーやエネルギーは感じた。
僕の好きな岡本太郎は「芸術ってのは判断を超えて、『何だ、これは!』というものだけが本物なんだ」と言った。また「今日の芸術は、 うまくあってはいけない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」と言った。
そう考えれば確かにバスキアの作品は「何だ、これは!」だったし、腹が立ったという事は心地悪かったという事だ。
何も感じない作品よりも、ここまで人の感情を動かしたという事は、バスキアの作品には強烈な何かがあったという事だ。
バスキアの作品が123億円という価格で落札されたのは彼が27歳の若さで亡くなった事や、彼の持つカリスマ性が作品に物語を持たせて、ある種の付加価値が付いたのだと思う。
会場を出るとバスキアのグッズが販売されていたが、グッズになった時の異常なまでのファッション性はあった。
バッグやマグカップ等になった時のバスキアのアートは、他のアーティストにはない魅力があった。バスキアのTシャツを着ていたら結構お洒落だ。
怒りを覚えて意味不明であったが、強烈な印象を与えた作品であったのには間違いない。
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