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『ハード・コア』『散り椿』を観たのだ。

の瀬になるとバタバタしながら、来年の抱負などを色々掲げたりするものである。

毎年凝りもせずにこの時期に色々と掲げては、次の年末にはとっくに忘れて、また新たな抱負を掲げるのだ。

来年は引っ越しをすることや、友人と宮古島へ遊びに行くことを何より実現していこう。

それでは、映画のレビューを。

『ハード・コア
個性派キャストで贈る、
奇想天外な新しい映画!!
監督:山下敦弘
出演:山田孝之佐藤健荒川良々

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天才・山田孝之がプロデューサーとして参加している作品であることは認識していたが、どんな映画なのか?その他の予備知識はなく観た。面白いことに挑戦する山田孝之であるから、興味本位で観てみようと思ったのだ。

作品を見終わってから知ったのだが、監督は山下敦弘。名作『北区赤羽』や『山田孝之のカンヌ映画祭』の山田孝之×山下敦弘の名コンビが作った映画だったのである。

物語は、個人的には他に観たことがない「新しい映画」であったが、漫画原作があったのは知らなかった。

胡散臭い怪しい組織の中でせっせと埋蔵金を掘り当てようとしている主人公を取り巻く環境が、バカバカしく、また謎のロボットの出現で、ますます先の読めない物語に惹き込まれていくのである。

山田孝之と佐藤健が兄弟役であることで、美男美女映画が好きではない僕にとっては「う~ん」と首を捻ったが、兄である山田孝之と正反対の優秀な弟である設定ならば、やはりイケメンをキャスティングするのは無理もない。

だが、その他のキャストは荒川良々をはじめ、非常に個性豊かなキャスティングで、映画の魅力度を大きく上げている。

正義感が強く真っすぐに生きようとするがゆえに、あまりにも世の中は主人公にとって生きづらく、世間との衝突を繰り返しながらハミ出し者になり、自分を拾ってくれた怪しい組織に傾倒するが、物語が進むにつれて、その中でも色んな葛藤を抱えることになるのだ。

優秀な弟、怪しい組織、不思議な流れ者の荒川良々、謎のロボット、そして性欲まみれの女が登場することで、笑いありのドラマティックな日常がとても(傍観者としては)愉快なのだ。

山田孝之×山下敦弘コンビの作品は、すっとぼけた感じを醸し出しながら名作を生む、素敵なコンビネーションである。

『散り椿』
岡田准一の華麗なる殺陣と、
木村大作監督の美しき撮影。
監督:木村大作
出演:岡田准一, 西島秀俊

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黒澤明監督の現場も踏んできたベテランキャメラマンの木村大作監督の作品だけあって、映像に凄くこだわっているのが見える。

日本の美しき風景の中で、紅葉や雨、そして雪降る情景の映像表現は一流の職人技。また椿散る中での対峙した岡田准一と西島秀俊による、息を呑む殺陣が素晴らしい。大事にしていきたい日本映画を観た気がする。

岡田准一はアイドルでありながらも、役者としてかけがえのない存在になった。無精ひげで骨太な侍を演じ、力強い殺陣を見せてくれる。

返り血を浴びた岡田准一の顔は、恐ろしくも悲哀に満ちた赤鬼の形相であった。

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