美術の本を読んで、映画を観て、あー楽しい。
世の中には、アートやエンタメがいっぱいあって、全然退屈しない。
本当にいい時代に生まれたものだ。
それでは、映画のレビューを。
『ジョン・ウィック:チャプター2』 生への執着か、殺しへの執着か。 何故にそこまで血を流すのか。 監督:チャド・スタエルスキ 出演:キアヌ・リーブス コモン ローレンス・フィッシュバーン |
今更言うのも何だけど『ジョン・ウィック』が面白くて、すぐさまパート2を観たよね。
だけども時、既に遅し。ニケ月前にはパート3が劇場公開していて、パート3はDVD出るまで観れない。
それにしてもパート2もメチャクチャ。この映画では殺し屋に関する色んなルールが設定されていて、例えばホテルのコンチネンタル内では殺しをしてはいけない。命を狙い合う殺し屋同士でも、お互いにそのルールを守りホテル内では一時休戦となる。
今回もキアヌは数えきれないほどの人を殺す。自分の命を狙ってくる殺し屋たちを確実に仕留めていくのだ。
しかし「情」なのか何なのか、留めを刺さないで見逃して「また次回」なんていう一面もある。
この映画を観ていると、キアヌの精神がわからない。病で先立たれた奥さんに対しての薄れることのない愛情を抱き、毎日浮かない顔をしながら生きているが、生への執着が半端ない。
次から次へと自分の命を狙ってくる殺し屋たちと戦いながら、とにかく生きる。
僕がキアヌならば「もう死んだ方がラクだな」と、いっそ殺してもらうだろう。
愛する者に先立たれて、自分の命は24時間狙われて、それでも生きていくことに執着するのは何故か。
それとも殺しへの執着なのか。自分が一人生きるために、数えきれない人の命を奪っていく。異常なまでに殺しを続けていく。
いや、キアヌ自身は殺しの世界から足を洗いたくて平穏な日常を望んでいる。決して人を殺したいわけじゃない。
ただ自分の命を狙いにくる者や自分が復讐を決めた相手に容赦ないのだ。
またこの映画の映画たる魅力は、人が行き交う街の中で無関係な人たちを殺さないようにしながら、殺し合いを決行することだ。地下街や駅のホーム、電車内での殺し合いは映画たる魅力の大きな要素だ。
それはアル・パチーノの『カリートの道』を連想させた。
電車内で逃げ惑うアル・パチーノ。
『カリートの道』でのエスカレーターでの殺し合いは、デ・パルマ監督の巧みな演出に驚かされた。
誰もいない荒野や森林、倉庫などといった「殺し合いが出来やすい状況」を敢えて避けながら、人混みの「誰がいつ襲ってくるかわからない」という心理的恐怖を体感させながら、ひりひりと神経を刺激する。
そして全面鏡張りの中での殺し合い。
これはチャップリンを真似たブルース・リー、それから『ジョン・ウィック』という流れではあるが、やはりこの全面鏡張りでの対決はハラハラする。
『サーカス』でのチャップリン。
『燃えよドラゴン』のブルース・リー。
そして『ジョン・ウィック:チャプター2』のキアヌ。
カメラマンやスタッフたちが映り込まないように考えながら、手に汗握る角度や構図にこだわり、エンターテイメントに注力した映画の魅力を目いっぱい堪能出来る。
街にいる全ての人たちが自分の命を狙っているという恐怖の中で、キアヌは一匹の愛犬とともに駆け抜けていくのだ。
『イコライザー』 平和を望んでいるのか、殺しを望んでいるのか。 優しさと残酷さのデンゼル・ワシントン。 監督:アントワ・フークア 出演:デンゼル・ワシントン マートン・チョーカシュ クロエ・グレース・モレッツ |
おとなしそうなのに実はめっちゃんこ強いヤツという映画はとにもかくにも面白いものだ。
リーアム・ニーソンや『ジョン・ウィック』、その流れから『イコライザー』を観る。
悪いヤツを片っ端から始末していく痛快さは、もうたまらない。
主人公は淡々と平穏な日常を送る。ホームセンターで真面目に勤務しながら、読書にふける。
しかしながら、どこか退屈そうな感がしないでもない。
主人公のデンゼル・ワシントンは平和主義に見えるが、弱き者を守るためになら悪に対して容赦ない。
それがめっぽう強大な組織であっても、一人で立ち向かうのだ。
脅威のスピード感でありながら、スローモーションで相手を観察して、一瞬で仕留める。「あぁ、痛快!」
平穏を望みながらも、どこか退屈そうなデンゼル・ワシントンは、殺しを決行する時、水を得た魚のようにしているではないか。
弾丸一発で済むものの、色んな殺しのテクニックを駆使しながら、相手を痛めつける。
くぅ~、面白いよ。
「お前、何者だ!?」皆が言う。何者であるのかわからないまま、悪は殺されていくのだ。
また出演者の顔がいい。
少女の顔も、いかにも辛い状況にいるって感じだし、ホームセンターの同僚である警備員を目指すデブもいい。この映画の癒しだ。
悪役の男もいい顔をしている。
ホームセンター内での対決は、勝手をわかっているデンゼル・ワシントンにとっては超有利な状況。従業員である一面を覗かせつつも、悪を始末していく様は最高なのです!!
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