超久しぶりに軽い気持ちで『ドラゴンボール』を観てみることに。
何気なく観るにはちょうどイイものであるし、『ドラゴンボール』というだけで面白さは保証済みなのであるが、あまりにも物語の内容が薄っぺら過ぎた。
熱を込めて観るファンならば、もっとガッカリしたのではないか。
『ドラゴンボールZ 復活の「F」』 超シンプルな物語。 何のひねりも工夫もない。 監督:山室直儀 出演:野沢雅子 中尾隆聖 山寺宏一 |
鳥山明原作の人気アニメ『ドラゴンボールZ』の劇場版19作目。
鳥山明が原作、キャラクターデザイン、そして初めて脚本も担当。
シリーズ屈指の悪役キャラクター、人気のフリーザを復活させて、新たに巻き起こる激闘を描いたのだ。
劇場版前作『ドラゴンボールZ 神と神』で登場した破壊神ビルスとウイスも引き続き登場。
鳥山明のコミック『銀河パトロール ジャコ』の主人公ジャコも参戦。
監督は『ドラゴンボール』シリーズをはじめ人気アニメの作画監督などを務めてきた山室直儀。
野沢雅子、中尾隆聖、山寺宏一などが声を担当。
2015年製作/93分/G/日本
配給:東映
破壊神ビルスとの戦闘が終わり地球には平和が訪れたのであるが、ドラゴンボールを求めて地球に近づいてきたフリーザ軍の残党ソルベとタゴマがフリーザを復活させてしまうのであった。
孫悟空たちへのリベンジを果たすべく、フリーザは地球に新フリーザ軍を送り込んで、孫悟飯、ピッコロ、クリリンが立ち向かう。
そして、悟空とベジータは進化を遂げたフリーザと対峙する。
物語は超単純である。フリーザがドラゴンボールによって復活して悟空と戦うというものではあるが、本当に単純過ぎて、それ以上でもそれ以下でもない。
『ドラゴンボール』といえば、子供向けなのかもしれないが、大人にもファンは多く、そのバランスを取って楽しめる映画にしなきゃいけない。
『ドラゴンボール』というだけで面白さは保証済みなところもあるが、「より面白いもの」を追求すると今回の劇場版は水準に達していない。
鳥山明が脚本を担当したということは、かなりのインパクトではあるが、残念ながら脚本は薄っぺらい。前半、悟空とベジータが修行をする。フリーザが復活する。後半、フリーザと戦う。本当にたったこれだけのことである。
『ドラゴンボール』なので大筋の物語はそれで全然構わない。しかし、それに付随して別の物語を何本か進行させていくことが必要である。
ブルマとベジータが夫婦ゲンカしていて仲直りするとか、銀河パトロールのジャコというヤツの心温まるエピソードを織り込ませるとか、ほんのちょっとのプラスアルファを作ることで物語が肉付けされて厚みが出てくるはずだが、非常に薄っぺらい内容の物語であった。
人気の悪役であるフリーザを復活させたのも面白い発想ではあるが、フリーザではもうチカラ不足なのである。あの圧倒的に強かったフリーザを一瞬で片付けたトランクスの登場シーンには、インパクトで敵わない。フリーザは魅力的なキャラクターではあるが、復活したとしてそれほど恐怖ではない。
やはり敵は未知なる相手、まだ戦ったこともない相手と戦うことが、観ている者にとっても恐怖なのである。
これぐらいの内容で劇場版とは、ちょっと甘ちゃんである。
それにしても「亀仙人ってこんなに強かったっけ?」といったところで「カット、カット」。
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