『地獄少女』を初視聴してみた。
『地獄少女』 実写化というのは非常に難しい題材。 良かったのは暴力描写か。 監督:白石晃士 出演:玉城ティナ 橋本マナミ 楽駆 |
2005年に第1期が放送されてドラマ化もされた人気オリジナルテレビアニメ『地獄少女』を、『不能犯』『ノロイ』の白石晃士監督が実写映画化。
『わたしに××しなさい!』の玉城ティナが閻魔あい役で主演を務める。
共演に橋本マナミ、『天気の子』の森七菜など。
2019年製作/107分/PG12/日本
配給:ギャガ
「夜中0時にだけ開くサイトで依頼すると地獄少女が現れて、恨みを晴らしてくれる」 都市伝説の話題に沸く女子高生たち。グループに馴染めずにいる浮かない表情の市川美保。
美保は、大好きなアーティストである魔鬼のライブで知り合った南條遥に魅了されて、遥とともに魔鬼ライブのコーラ スのオーディションを受けることになったが、受かったのは遥だった。
やがて少しずつ様子がおかしくなっていく遥を心配した美保は、魔鬼が遥をライブで行う<儀式>の生贄にしようとしていることを知って噂のサイトにアクセスするー。
『地獄少女』というアニメが放送されていたことは知っているのだが、アニメも漫画も、またドラマ版も知らない。いずれかのファンがいるだろう映画の実写版で初めて『地獄少女』というものを観てみる。
作品に対する思い入れがないため、フラットに初見として実写版単体で『地獄少女』の感想を書き連ねていく。
先ずは設定が「地獄通信」というサイトに午前0時にアクセスして地獄に落としたい相手を依頼するという極めてシンプルなものである。
確かに子供向けの漫画ならば、わかりやすくてイイのかもしれないが、実写となると非常にイージーな「地獄への落とし方」は、あまりにも現実離れしていて、そんなアホみたいな簡単な方法でイイのか?と戸惑いを覚える。
こんなアホみたいな方法がネット上やウワサで広まっている中で、面白半分にアクセスする人は相当多数いるだろう。面白半分でアクセスした人たちは、どういった結末を迎えるのだろう。
例えば、深夜0時に「地獄通信」にアクセスする前に、自分の血を少量、「地獄へ落としたい相手の頭髪や爪、皮膚」などに垂らしてから儀式を行ってアクセスするなどのひと手間を加えるか?、しかも怨念の想いが薄いとアクセスに失敗するとか。そうでもしない限り深夜0時に「地獄通信」は面白半分にアクセスしる連中でパンクしてしまうのではないだろうか?サーバーダウンしちゃうよ。
そんなこと言っても、そんなアレンジを加えれば原作ファンから「余計なことするな!」と怒られてしまうから、実写化というのは非常にやりづらい。
設定は仕方ないにしても、「地獄へ落ちていく過程」も麿赤児さんが奇妙な動きをして現れるなど、「んんん?」と恐ろしいのやら何なのやら、よくわからない。
物語のテンポも乗り切れない。
よくわからない奇妙さは出ていたとは思うが、『笑ウせえるすまん』や『世にも奇妙な物語』のような続きを観たくなる衝動は起きない。奇妙プラス、テンポの良さがあれば、続きが気になって前のめりで観ていただろう。
『地獄少女』という作品は難しい題材ではあると思う。原作ファンのことを気にしつつ実写としての良さを表現をしていくことは、本当に難しい。
本作で良かったのはホラー表現というよりは暴力描写であった。若い女の子が男に、また友達の女の子に、思いっきり暴力を振るう。ためらうことなく暴力を感情のままに振るう。その暴力描写は良かった。
実写化というのは、それなりの視聴者を獲得できるが、甘い蜜のようで非常に難しい。『翔んで埼玉』ぐらい抽象的な漫画原作だと実写で作り込めるが、『地獄少女』という世界観が固まったものを実写化するのは大変であるといったところで、「カット、カット」。
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