壮大なタイトルで観る者を惹きつける。
本作ではキングギドラが大暴れ。楽しみではないか。
『三大怪獣 地球最大の決戦』 ついに怪獣同士が喋った! 可愛すぎるぜ! 監督:本多猪四郎 出演:夏木 陽介 星 由里子 若林 映子 |
『宇宙大怪獣 ドゴラ』の関沢新一のオリジナル・シナリオを、すでにコンビである本多猪四郎が監督。撮影もコンビの小泉一での空想科学映画。
1971年『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 地球最大の決戦』に改題されて、「東宝チャンピオン祭り」で公開。
1964年製作/93分/日本
原題:Monster of Monsters-Ghidorah
配給:東宝
金星人を名乗る謎の女性が地球の危機を予言して、かつて金星の高度な文明を滅ぼした宇宙怪獣、キングギドラの地球攻撃を訴えた。
それに呼応するかのように、ラドンとゴジラが復活。
そして黒部ダムに落下した隕石の中からキングギドラが誕生した。
小美人は、モスラ、ラドン、ゴジラの連合による対キングギドラ戦を提案するのだが・・・。
本作はなかなかツッコミどころも多いが可愛げのある作品であった。
『ゴジラ』シリーズにツッコミを入れるのはナンセンスな気もするが、誰しもがニヤニヤとしながら観ちゃうんじゃないだろうか。
先ずは、セルジナ公国のサルノ王女という女性が突然「金星人」になってしまうことで、マスコミが「自称・金星人」を取り扱う。あくまで自称だから、放っておけばいい。「あなたは日本人じゃないのですか?」とインタビューする滑稽な光景。金星人じゃないにしても、一応セルジナ公国の王女という設定なのだから、「日本人」はないだろうに。日本語ベラベラ喋っているので仕方ないが。
王女の命を狙う殺し屋たちもおかしい。外国人の設定だけど、日本語を話すバリバリの日本人。
突如始まる銃撃戦も笑えるが、遂にキングギドラが宇宙からやって来た。
キングギドラはめちゃくちゃ強い。三頭の口から光線を発して、街を破壊しまくる。
『ゴジラ』シリーズでは恒例の城の破壊も、本作では松本城をキングギドラの翼の「バッサバッサ」だけの風圧だけで破壊するのだ。恐ろしい。
おまけに東京タワーも軽くへし折ってしまった。
ちんたら歩くゴジラに対して、キングギドラのスピード感はやはり猛威である。
キングギドラをぶっ倒すには、ゴジラ・ラドン・モスラが協力し合うしかない!
ラドンも強い。
ゴジラを持ち上げたまま飛行してしまうのだから。
本作の一番の見どころは、そんな三大怪獣であるゴジラとラドンとモスラが、遂に話し合いをすることだろう。
モスラが「協力をしてキングギドラを倒そう」と言うと、ゴジラもラドンもキッパリと断る。
「俺たちは人間にイジメられてきたんだ」とゴジラは人間なんか助ける気はない。
そりゃそうだろう。ゴジラは一貫して人間の住む街を破壊してきたのだ。何で今回だけ、人間の味方をしてキングギドラと対決しなければいけないんだ。
「知ったこっちゃない。勝手にしやがれ」とゴジラが言うと、「ラドンもそう言っています」と小美人の通訳。
怪獣同士が会話を始めると、なんだか可愛いではないか。
モスラはあきらめて、自分だけで単身キングギドラに挑む。しかも幼虫の姿のまま。
キングギドラの大暴れっぷりで、遂にはゴジラ達も応戦。
やっぱりモスラが異常に強い。めちゃくちゃ強いはずのキングギドラを、口から吐いた糸でぐるぐる巻きにしてしまう。『モスラ対ゴジラ』でも見せた異常な攻撃力でキングギドラは圧倒的不利な状況に陥る。
ゴジラは目の前にある岩をキングギドラに投げまくって、キングギドラは退散した。
本作における観る者を飽きさせないバラエティーっぷりにお見それいたしやしたってところで、「カット、カット」。
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