映画の内容は全然知らないが、『ゲット・アウト』監督の最新作ということもあり、奇妙なジャケに釣られて観てみた。
『アス』 ハサミ一本でそんなに怖い? クローンよ、地上は大変だぞ。 監督:ジョーダン・ピール 出演:ルピタ・ニョンゴ ウィンストン・デューク エリザベス・モス |
前作『ゲット・アウト』で第90回アカデミー脚本賞を受賞したジョーダン・ピール監督の、自分たちとそっくりの謎の存在と対峙する一家の恐怖を描いたサスペンススリラー。
『ゲット・アウト』に続いて数々のホラー・スリラー作品を大ヒットさせてきたジェイソン・ブラムが製作。
『それでも夜は明ける』で第86回アカデミー助演女優賞を受賞して、『ブラックパンサー』などで活躍するルピタ・ニョンゴが主演。
2019年製作/116分/R15+/アメリカ
原題:Us
配給:東宝東和
夏休みを利用して、アデレードは夫と2人の子供たちと一緒に幼い頃住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの家を訪問。
彼女は友人一家と落ち合いビーチへ出掛けるが、不可解な出来事に見舞われる。
そして過去のトラウマがフラッシュバックして、やがて夜になると、自分たちとうり二つの不気味な4人組が家の前に現れた・・・。
一度観ただけでは、全てを理解するのは難しい。だからと言って、物語がわかりづらい難解な映画でもない。
終始、謎に包まれた部分があり、観ている間に謎が解けていくのだが、「え?・・ということは??」そういうこと??と、一度では理解し難い。
映画の持つ世界観や演出は相当良かった。
ツッコミどころとしては、「ハサミ一本を武器にそこまで出来る??」ということ。ハサミ一本で相手を襲うって、相当難易度が高い。
先ず、主人公であるアデレードの黒人の一家を、赤い服を着たクローンが襲撃する。その登場では、家の外でクローン家族が手を繋いで立っている。
演出としては大正解で凄くイイんだけど、その後の友人であるジョシュという白人家族を襲うクローンは、ジョシュ家族を一瞬で殺害しちゃう。一瞬で家の中に現れて、一瞬でハサミで殺害しちゃう。このシーンも凄く良かったが。
でもアデレード家族のクローンに関しては、殺害するのにじれったい。主人公であるアデレード一家を襲うわけだから、映画としては一瞬で殺せないのだ。主人公一家は映画上では一瞬で殺せないけど、脇役は一瞬で殺されるというのは都合が良すぎる。
あと身も蓋もないけど、クローンが人間を襲うって、そんな怖いこと??かな。クローンが圧倒的に凶暴で強かったら怖いけど、ハサミ一本で襲ってくる、さほど強くもない相手。冷酷であることは間違いないけど、頑張ったら勝てる相手だから。
僕なら、クローンと仲良くなりたい想いもある。自分と同じ姿をしたクローンが現れたら、「ギャーッ!!」と怯えるよりも、仲良くなりたい想いがある。
極論だけど、何なら自分の生活とクローンとしての生きる道を交換してあげていいよとさえ思う。クローンは地下で生きてきて、地上に住む人間が「幸せ」であると思っているようだが、地上で生きていくことは「大変」だってことをクローンにも認識してもらいたい。何なら「僕が地下に潜って生活しようか」って思う。その代わり、地上の生活はクローンたちが考えているほど甘くないよってこと。僕の代わりに頑張ってね。
そもそも僕の人生を歩むメリットはクローンにとって何もないけどね、といったところで「カット、カット」。
この記事へのコメントはありません。