名作『ザ・フライ』の続編。親子二代で紡がれるハエ男の物語。
『ザ・フライ2 / 二世誕生』 ハエ男の子は、やはりハエ男。 娘じゃなくて、まだ良かった。 監督:クリス・ウェイラス 出演:エリック・ストルツ, リー・リチャードソン |
驚異のSFホラー第2弾!では、さらに壮絶な映像が迫り来る!
物質転送装置の実験中の事故でハエ男と化してしまった科学者セスとその恋人ベロニカの悲恋を描いた『ザ・フライ』の続編である。
デヴィッド・クローネンバーグから監督は、クリス・ウェイラスにバトンタッチ。
前作よりもB級SF怪奇映画としてのテイストは強まっているが、自分の呪われた運命を克服しようともがく若者の青春映画としての側面も描かれている。
1988年製作/105分/アメリカ
配給:20世紀フォックス映画
セスの子どもを宿していたベロニカであったが、しかし、そのお腹から誕生したのはハエの卵であり、その卵の中には男の子が入っていた。
マーティンと名付けられ研究所に幽閉されて育てられたその子は、わずか5年で青年(エリック・ストルツ)に成長する。
やがて彼の身体にもハエ男の兆候が現れ始めるのだった。
名作『ザ・フライ』の続編ということで観た。
パート1での主人公とヒロインの女性の間に生まれた子供が急激な成長速度で大人になっていき、そしてハエ人間へと変貌していく物語だ。
マーティンは人間の姿で生まれたが、その運命は残酷であり、徐々にハエ人間へと変わっていく。残酷な運命を背負い、また彼を取り囲む大人たちが悪いヤツばかりだ。
前作ではハエ人間になってしまったキッカケと、ハエ人間に変貌していく過程での人間ドラマが描かれていたが、本作では「ハエ人間」になる運命を背負いながら、悪い大人連中の「モルモット」にされてしまう中でのドラマに加えて、ハエ人間に変貌していく中で凶暴になって戦うアクションも繰り広げられている。
親子二代で紡がれる美しきハエ物語は、名作を生んだのである。
考えてみたら女の子に生まれなかっただけで、まだ良かった。
女性がハエ人間に変貌していく姿を見るのは、胸が痛い。
男の存在なんて、そもそもがハエみたいなものである。・・・どーいうこっちゃ。
人間とハエが融合するというアイデアが素晴らしいことと、いわゆるクモと融合した『スパイダーマン』のようにヒーローではなくて、苦悩に堕ちていくという演出が良かった、といったところで「カット、カット」。
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