昨年の夏に配信された『日本沈没2020』をやっと観終えた。
『日本沈没2020』 誰にも感情移入出来ない。 ムダに死んでいく人たち。 監督:湯浅政明 出演:上田麗奈,村中知,佐々木優子,てらそままさき |
1973年に小松左京が発表した名作SF小説『日本沈没』を、『夜明け告げるルーのうた』『DEVILMAN crybaby』の湯浅政明監督が大胆なオリジナル解釈を加えてアニメ化。
2020年の現代を舞台にして、これまでの『日本沈没』の映像作品では描かれることの少なかった“ごく普通の家族の物語”を通して、襲いかかってくる“いま描かれるべき日本”。
2020年製作/151分/G/日本
配給:エイベックス・ピクチャーズ
2020年、突然の大地震が日本を襲って、東京が壊滅的な状況になる。
武藤家の歩と剛の姉弟は一家4人で東京からの脱出を始めるのだが、行く先々でも巨大な地震が日本列島で断続的に発生して、彼らを追い詰めていく。
生きるために極限状態で迫られる数々の選択、残酷にも降りかかる生と死、出会いと別れ。
決して未来を信じることを忘れない中で、途方もない現実と向き合い歩と剛は、極限状態でさまざまな局面に立ち向かいながら未来を信じて、懸命に生き抜く強さを身につけていく。
ネットフリックスでの配信前から非常に楽しみにしていたアニメだったのだが、一話一話観てるのがダルくなってきた。
面白いアニメは一気見するんだろうけど、ちょっと観ては数か月放置しちゃうレベル。
「日本沈没」というキャッチーなテーマは面白そうだったんだが、内容が全然ダメだった。
登場人物の誰にも感情移入出来ないし、「日本沈没」とはカンケーなく死んでいく人たちに、観ている側は置いてけぼり。
言うならば「ジェイソンに襲われてジェイソンに殺される前に、勝手に食中毒で死んでしまう」みたいなカンケーのない死に方をする。
一家の大黒柱であり頼りがいのある父親は山芋を掘っていたら、第二次世界大戦時の不発弾に「コン!」とスコップを当ててしまったこで爆死する。
コントかと思ったわ。
一緒に旅を共にするお姉さんは、有毒ガス地帯に降りていって一瞬でお陀仏。
皆を乗せていたボートのロープが、何かに引っ掛かってしまって進まない。
母親は心臓にペースメーカーを付けていたが、何故か絶妙なタイミングで電池が切れる。そのくせ「潜水は得意」とか言って、無理をするもんだから心臓停止で勝手に溺死する。
感動もクソもない。
頼むから感動させてくれ!
観ていることに限界を感じてきたが、後もう少しで全部観終える。
沈没している自分の心を何とか隆起させようと、我慢大会が始まった。
だが本作は追い討ちをかけるように、容赦なく僕を叩きのめす。
波に飲まれそうな大事なディスクを拾うために、命がけでディスクを拾いに行った男は、ディスクを守ることが出来たが、自分が波に飲み込まれてしまうのであった。
ふぅ~。しんど。
これなら家族が漂流して、チカラを合わせて楽しく生きていく「フローネ」を観ていた方が良かった。
さいとう・たかを先生の『サバイバル』を読んでいた方が良かった。
ってか、さいとう・プロは『日本沈没』を描いていたんですね。
めっちゃ読みたくなってきた。
それはそうとして『日本沈没2020』に話を戻すが、最終話は急に一気に巻き返すかのように無理矢理にハッピーエンドへ持ち込んできたのだ。
「おお、そうかそうか」とハッピーエンドを安堵の気持ちで迎えて、物語の結末を見届けるのであった。
湯浅監督、色々言ってしまいましたが次回作も楽しみにしています!、といったところで「カット、カット」。
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