シリーズ21作目、『ゴジラVSスペースゴジラ』を観たのだ。
『ゴジラVSスペースゴジラ』 壮大な宇宙バトルではない。 うすら寒い人間ドラマ。 監督:山下 賢章 出演:橋爪 淳 小高 恵美 中尾 彬 |
宇宙に運ばれたG(ゴジラ)細胞によって誕生したスペースゴジラ、対ゴジラ戦闘ロボット・モゲラと激しいバトルを中心に展開するゴジラシリーズ21作目。
ゴジラに親友を殺された男の復讐と超能力少女三枝未希の恋愛を絡めて描く娯楽作。
前半はバース島、後半は福岡が戦いの舞台。
『19ナインティーン』の山下賢章が監督。
シリーズを手掛ける田中友幸が製作。
『べっぴんの町」』の柏原寛司が脚本。
特技監督は前作に引き続き川北紘一がそれぞれ担当。
1994年製作/108分/日本
配給:東宝
宇宙に運ばれたゴジラ細胞がブラックホール内で結晶生物と合体して誕生した怪獣・スペースゴジラ。
地球に接近するスペースゴジラに対し国連は対ゴジラ兵器モゲラを宇宙に送り込む。
しかし、あえなく敗退してしまい、地球に飛来したスペースゴジラは福岡一帯をバトルフィールドに変えてゴジラと決戦する。
「スペースゴジラ」と謳って、これは壮大な宇宙バトルを繰り広げるのかと思いきや、結局は日本でバトッていた。
それは大した問題ではないが、人間ドラマのシーンが全てうすら寒過ぎた。
ヘタにカッコつけたり感動させようとしているが、くだらないメロドラマを見せられているようでツライ。
スペースゴジラという発想は悪くないと思うし、徐々にスペースゴジラが地球に接近してくる過程も良かった。
だが、地球に降り立ったスペースゴジラは想像を絶する恐怖ではなかった。
『ドラゴンボール』で言えば、フリーザが地球にやって来た時ぐらいの恐怖をスペースゴジラにも描いて欲しかった。
スペースゴジラの圧倒的な恐怖、地球外生物のパワーを見せつけることで、ゴジラが対決する意味合いが増すだろう。
本当はスペースゴジラの攻撃ひとつで日本列島が吹き飛ぶほどの恐怖があった方が面白いが、そこまでのパワーはなくても、ゴジラとの圧倒的なパワーの差を見せつけてくれないとドキドキ感がないのである。
何にせよ、人間ドラマが全てを台無しにしていた気がする。
スペースゴジラという壮大な敵が現れる物語なはずなのに、小っちゃい人間ドラマが足を引っ張っている。
主要な登場人物の誰かがスペースゴジラの犠牲にでもならない限り、懸命に立ち向かう人間の姿に本気度が出ない。
「地球最期の日」ぐらいの恐怖でスペースゴジラを描いていたら、もっと面白い作品になったのではないだろうか、といったところで「カット、カット」。
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