「死霊のはらわた」シリーズ、三部作の最後の作品を観たのだ。
『死霊のはらわたIII キャプテン・スーパーマーケット』 死霊コメディー映画。 演じ切ったブルース・キャンベルが凄い。 監督:サム・ライミ 出演:ブルース・キャンベル, エンベス・デイヴィッツ |
前作のラストで中世にタイムスリップしたアッシュが、実はスーパーマーケットの店員だった「死霊のはらわた」シリーズ第3弾。
悪ノリもますます加速、コミック色とファンタジー色も強くなり、劇場公開版とディレクターズ・カット版ではエンディングが異なる。
1993年製作/89分/アメリカ
原題:Army of Darkness
死霊と闘い、中世の世界にタイムスリップしたアッシュは現代に戻るために、“死者の書”を探し出そうとする。
ところが呪文を間違えて唱えたしまい、ゾンビの群れが復活する。
アッシュと騎士たちはゾンビ軍団と死闘を展開することに。
『死霊のはらわたⅢ』ということで観ることとなった本作であるが、「パート1」とここまでかけ離れたシリーズものがあるだろうか。
「パート2」でもホラーから、かなりコメディーに振り切った作品であったが、本作での別モノへの振り切り方は目を疑うほどだ。
始まって早々、主人公のアッシュは中世にタイムスリップしてしまい、そこで死霊たちとバトルを繰り広げるという狂った設定ぶり。
しかもコメディー満載のバトルなので、「怖い」などという気持ちにはならない。
失った右手にチェーンソーを取り付けて、左手にはライフル。
もう何が何だかワカラナイ。死霊版『マッドマックス』というところか。
自分の姿をした複数の小人と戦ったり自分の分身と戦ったり、ドタバタ死霊コントを繰り広げて、もう真面目にホラーを撮ろうなんて気持ちは皆無である。
『死霊のはらわた』のことを忘れホラーであることを忘れて、死霊コメディー映画として観るのが正解な気がする。
しかし、本作での狂人ぶりを演じ切ったブルース・キャンベルは凄い。
ガイコツ戦士たちのコマ撮りバトルといい、見どころ満載な本作を「駄作」と決めつけるのは早まるなかれ。
サム・ライミ監督のぶっ飛んだ才能が随所に散りばめられていて、映画の楽しさをオモチャ箱のように詰め込んでくれているのだ。
劇場公開版とディレクターズカット版とではエンディングが異なるそうだが、今回観たのはディレクターズカット版で、薬を一滴多く飲み間違えたことにより眠り過ぎたアッシュが目覚めた場所は滅亡した世界であった、というオチ。
劇場公開版では晴れて現代に戻ることが出来て、アッシュはスーパーマーケットで勤務しているらしい。同僚の女性とイイ感じになるも、そこに死霊が襲いかかられてしまうが死霊を返り討ち。女性の腰に手を回し「やったぜ!」とポーズを決めてジ・エンドとのこと。
個人的には今回観たエンディングよりも、劇場公開版のハッピーエンドの方が好きである。
ラストはスーパーマーケットのシーンで終える方が気持ちイイ。
三部作の「死霊のはらわた」シリーズ、これにて完結!といったところで「カット、カット」。
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