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Netflixドラマ『新聞記者』ネタバレ・あらすじ・感想。

かと話題のNetflixドラマ『新聞記者』を観たのだ。

『新聞記者』
完全フィクションと言うには無理がある。
役者陣の抑えた演技に注目。
監督:藤井道人
出演:米倉涼子, 綾野剛, 吉岡秀隆, 寺島しのぶ, 横浜流星

Netflix

 

予告編

 

 

解説

 
2019年に劇場公開され大きな話題を呼んだ映画『新聞記者』が、Netflixオリジナルシリーズの連続ドラマとして制作された。

“新聞業界の異端児”と呼ばれる新聞記者を米倉涼子が演じる。

若手エリート官僚を綾野剛、新聞配達をしながら大学に通う就活生を横浜流星など、豪華キャストが集結。

監督は映画版に引き続き、藤井道人が務める。

全6話
製作国:日本(2022年1月13日全世界配信)

 

あらすじ

 
東都新聞のジャーナリスト・松田杏奈(米倉涼子)は、自分の信念に従い官邸での記者会見でも忖度なしの質問を連発して、マスコミの中でも目立ち“新聞業界の異端児”と呼ばれている。

ある日、中部財務局が官邸の意向を受け、総理夫人が名誉校長を務める「栄新学園」に格安で国有地を売却していたことが他紙よりスクープされ、栄新学園を巡る疑惑を追うように指示された松田は、この件の調査に取り掛かる。

裏では関係者による隠ぺい工作が始まり、栄新学園に土地を売却した中部財務局に官僚・鈴木和也(吉岡秀隆)が赴任して、公文書を改ざんする違法行為を命じられる。

妻・真弓(寺島しのぶ)は、追い詰められていく夫の異変を感じながらも見守るしか出来ないでいた。

その土地売買問題に関わってしまった総理夫人付きの官僚・村上真一(綾野剛)は、政権に不都合な情報をコントロールする内閣情報調査室への異動する。

新聞配達のアルバイトをしながら就職活動をしている大学生・木下亮(横浜流星)は、政治や社会に全く関心がなく過ごしていた。

そんな中で限界まで追い詰められた鈴木が自殺した。

 

感想

 
映画版の『新聞記者』は鑑賞済で、地上波では実現出来なかっただろうNetflix制作の『新聞記者』をイッキ観した。

ドラマの内容はさることながらドラマ制作においての過程も話題になっている本作において、純粋に作品だけの感想を抱くことが中々難しいものである。

先ず前提に踏まえておかなければならない事件は、実際に起きた「森友学園での財務省の公文書改ざん問題」について。

当時の闇に包まれた事件の裏側で起きていたドラマを見せていくことが、本作の『新聞記者』での役割だと思う。

しかしドラマはノンフィクションではなくフィクションという主張の元で作られているので、現実社会で実際に起きた「森友学園問題」と切り離して考えなければいけないことにはなるが、それは断然無理な話である

家族を失った遺族の方の想いを無視したドラマの内容であることを理解しなければいけない。

ドラマ制作の裏側で問題となったのは、遺族の方の了承を得ないまま撮影がスタートされたことを問題視した小泉今日子が直前で降板。制作側は「完全なフィクション」を主張して撮影を強行したが、ドラマ完成後に遺族の方へ謝罪。ドラマのモデルとなった新聞記者は謝罪の現場にも現れず、何とも遺恨の残る後味の悪い感じになっている。

遺族の方に許可を頂けないまま進行した撮影で、納得出来ない小泉今日子が降板した決断は正解だと思うが、その他の出演者が間違っているとも思えないし責められることではない。

「完全フィクションである」と開き直って、遺族の方の想いを無視したこと、ドラマ制作に関わる人たちへの納得のいく説明がなされてなかったことに制作側の決定的な落ち度がある。

『新聞記者』では真相解明に誠心誠意取り組み声を上げられない弱き立場の人の声を拾うことが「正義」だったのに、ドラマ制作の過程で一番大事な遺族の方への配慮を疎かに踏みにじってしまったカタチになった。

以上のことを踏まえた上で、『新聞記者』の感想を書いていく。

Netflix制作ということもあって、ドラマのクオリティーは非常に高く丁寧に作られていた。

新聞記者の松田杏奈役を演じる米倉涼子の視点だけではなくて、吉岡秀隆、綾野剛、寺島しのぶ、横浜流星など、それぞれの視点で描かれる構成と物語を繋げていく編集が素晴らしかった。

役者陣の演技や監督の演出も見事で演技オーバーのドラマ『半沢直樹』の逆バージョンでの、シリアスに静かに表に感情を出さない抑えた演技が観ている者の胸を熱くする。

米倉涼子の作品を殆ど観たことはないが、こんなに繊細な演技を出来る人だとは思っておらず驚かされた。

精神的に追い詰められていく綾野剛の変貌ぶりが凄まじく、悪役に徹したユースケ・サンタマリアも怖かった。

気になった点は『半沢直樹』のように、権力者たちが極悪人として描かれていることだ。

『水戸黄門』に出て来る悪代官みたいなキャラづけの一辺倒で権力者側を描写することは、それはそれで問題がある気がする。

根っからの悪人も存在するかもしれないが、人間はもっと多面的なので悪人一色で描くことは官僚版『アウトレイジ』としか思えない。

ドラマの劇中外の様々な報道で頭が混乱してしまいそうではあるが、観た人各々が国や社会のこと家族のことを考えるドラマになっていたのではないか、といったところで「カット、カット」。

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