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映画『叫』ネタバレ・あらすじ・感想。

 黒沢清監督の描く幽霊がリアルということで本作を観たのだ。

『叫』
見事な心霊映像体験。
不穏な空気と奇妙な世界観。
監督:黒沢清
出演:役所広司 , 小西真奈美 , 伊原剛志 , 葉月里緒奈

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解説

 
黒沢清監督と『呪怨』シリーズの一瀬隆重プロデューサーが初めて手を組んだ複雑怪奇な世界を描くゴースト・ストーリー。

 
黒沢監督作品7作目の主演となる役所広司、『天使の卵』の小西真奈美、『ゆれる』のオダギリジョーらが共演。

2006年製作/104分/日本
配給:ザナドゥー/エイベックスエンタテインメント/ファントムフィルム

 

あらすじ

 
連続殺人犯を追う刑事の吉岡(役所広司)の頭に、ある日、ふと自分が犯人ではないかという疑問が浮かぶが、曖昧な自身の記憶に苛立ち苦悩する。

そんな彼を恋人の春江(小西真奈美)は静かに見つめている。

吉岡は同僚の宮地(伊原剛志)の勧めに従って、精神科医の高木(オダギリジョー)の元でカウンセリング治療を始める。

 

感想

 
先日、黒沢清監督の『降霊〜KOUREI〜』を観て、黒沢清監督の幽霊描写に魅了された。幽霊が見える人たちが「黒沢清監督の『降霊〜KOUREI〜』はリアル」「黒沢清監督は幽霊が見える人だと思う」だとかいう証言から『降霊〜KOUREI〜』を観ることにしたが、その幽霊描写はもちろん、黒沢清監督の演出術にも魅了されたのだ。

黒沢清監督が「幽霊が見える人」なのかどうかは分からないが、『降霊〜KOUREI〜』は「幽霊が見える人たち」に取材して作った映画らしい。

そして本作『』もまた『降霊〜KOUREI〜』同様にリアルであろう幽霊描写がなされていた。

降霊〜KOUREI〜』よりも、もっと大きく前面に登場する幽霊に釘付けに。葉月里緒奈が演じる幽霊は無表情で、歩く際も肩の位置を水平にしたまま移動してくる。顔は青白く、まばたき一つしない。

大袈裟に絶叫するのではなく、他の表情は変えずに口だけを大きく開いて「叫ぶ」。

霊感がある人が言うには「幽霊の声は直接脳に語りかけてくるように聴こえる」らしいのだが、葉月里緒奈の声も直接脳に語りかけてくるように表現されている。

最後に小西真奈美の眼球が真っ黒になっていくシーンも黒沢清監督が取材で得た情報を基に表現したのではないだろうか。怪談話で「眼球がなく目が真っ黒」の幽霊の話をよく耳にするのだ。

幽霊描写も見事ながら、やはり目を見張るのは黒沢清監督の演出術である。終始不穏な空気感が漂い奇妙な世界観を構築する。

常連の役所広司の演技もイイ。

観ていて非常に興味深い心霊映像体験であった、といったところで「カット、カット」。

 

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