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アニメ『サンクチュアリ』ネタバレ・あらすじ・感想。

『サンクチュアリ』のアニメを観たのだ。

『サンクチュアリ』
見えない二人の要となる背景。
これでは聖域(サンクチュアリ)には辿り着けない。
監督:渡部高志
出演:速水奨, 中田和宏,土師孝也

 

解説

 
史村翔・池上遼一原作の伝説的な漫画『サンクチュアリ』のオリジナルビデオアニメーション作品。

 

速水奨、中田和宏、土師孝也、関智一、笹岡繁蔵など、豪華声優陣が出演。

1996年製作/日本

 

あらすじ

 
少年時代にカンボジアの戦乱から生き残り、日本へと帰国を果たした北条彰と浅見千秋の二人。

北条はヤクザとなって裏社会に潜り、浅見は政治という表の世界へと入り、腐敗した日本を変革することを心に決めて、それぞれの世界で頂点を目指そうと進む。

二人の前に巨大な敵が現れ、まさにそれが日本の腐敗そのものだった。

彼らの戦いの先にあるものとは一体?

 

感想

 
先日、漫画『サンクチュアリ』を全巻読破したので、OVA(オリジナルビデオアニメ)の『サンクチュアリ』を観てみることに。

もちろん1時間ちょいで濃厚な物語を全て描ききることが出来ないので、本作では北条彰が組長から二代目総長になるまでを、浅見千秋が民自党を離れ政治研究会を発足するまでを、漫画版から抽出して作り上げている。

どんなカタチでアニメ版が作られているのか楽しみだったが、前半は全然ダメで面白くも何ともなく、渡海が登場してからやっと物語に加速がかかり面白味が出てきた。

やはり物語をかき乱すような暴れん坊を登場させた方が、食いつかせる要素になるのだ。

ただ漫画版を読んでいない人にとっては、楽しむことが出来ない作品であった。

北条と浅見の要となる少年時代のカンボジアでの体験が全然描かれておらず、彼らを突き動かす野心と絆が、アニメ版を観ただけでは理解しづらい。

壮絶な地獄を生きてきたからこそ、命がけで日本を変えようと生きている二人の関係性が薄すぎるのだ。

これでは二人が目指す聖域(サンクチュアリ)が何なのかが見えてこない。

アニメのクオリティーが高かったとも言い難く、スローなテンポで、のんびりと中途半端にカッコつけていただけである。

池上遼一先生の作画レベルに近づけるのは至難の業なのは承知だが、池上遼一先生の絵のカッコ良さを全然活かしきれてなかった。

池上遼一先生の惚れ惚れとする絵のクオリティーがアニメで表現されていたら最高だったというのは高望みなのか。

製作費や製作期間、色んな諸事情があるのは仕方ないことではあるが、それではアニメとしての聖域(サンクチュアリ)には到達出来ない。

『サンクチュアリ』の実写版も存在するので観てみたい、といったところで「カット、カット」。

 

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