『マスカレード・ホテル』の続編、『マスカレード・ナイト』を観たのだ。
『マスカレード・ナイト』 意外性のないキャスティング。 自分で腕時計ハメとけや! 監督:鈴木雅之 出演:木村拓哉 長澤まさみ 小日向文世 |
東野圭吾のベストセラー小説を木村拓哉と長澤まさみの共演で映画化した『マスカレード・ホテル』の続編。
原作小説のシリーズ第3作を基に、カウントダウン仮装パーティーが開催されるホテルを舞台に、招待客の中に紛れ込んだ殺人犯を逮捕すべく、刑事・新田浩介と優秀なホテルウーマン・山岸尚美が難事件に挑む姿を描く。
『マスカレード・ナイト』
東野 圭吾 (著) |
前作に続き『HERO』の鈴木雅之が監督を務めた。
小日向文世、梶原善、石橋凌、渡部篤郎といった前作からのキャストをはじめ、中村アン、田中みな実、石黒賢、沢村一樹、勝村政信らが新たに出演。
2021年製作/129分/G/日本
配給:東宝
警察に匿名の密告状が届いた。
都内マンションで起きた殺人事件の犯人が、ホテル・コルテシア東京で大晦日に開催されるカウントダウンパーティー“マスカレード・ナイト”に犯人が現れるというものだった。
パーティー当日、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入した捜査一課の刑事・新田浩介(木村拓哉)は、優秀なホテルマン・山岸尚美(長澤まさみ)の協力を得て任務に当たるが、500人の招待客は全員仮装し顔を仮面で隠しており、限られた時間の中で素顔の分からない殺人犯を捕まえるべく奔走する。
前作が中々面白かったこともあり、続編の本作を観ることに。
キムタク×長澤まさみの組み合わせと東野圭吾原作のサスペンスは、やはり観たくなる衝動に駆られる。
前作が面白かった記憶はあるものの物語の詳細は憶えていない。なので前作と引き続き出演している役者についても、キャラ設定等が把握出来ていない状況だ。
キャスティングについては「いかにも」という役者を揃え、意外性がない。小日向文世はまんまいつも通りの小日向文世だし、石橋凌はいつもと同じ役柄のイメージ通りの石橋凌。渡部篤郎も渡部篤郎通りである。沢村一樹に関しては「もっとダサい男が演じてもイイはずの役どころを沢村一樹が演じているなぁ」と思ったが、結局最後は沢村一樹通りのカッコイイ役柄であった。
皆が持つイメージ通りの役者を、まんま役柄にキャスティングすることに安心感はあるが冒険心はない。キムタクはカッコイイ、キムタクのまんまで、長澤まさみも長澤まさみのまんまである。梶原善、高岡早紀、その他み~んな。冒険心がないので面白味はない。
オープニングのキムタクのダンスシーンも、「どこまでキムタクをカッコ良く見せるねん」とイチ刑事役としては有り得ないシーン。
大晦日にホテル内で起こる事件のために本来ここまで警察を動員して捜査するのか不明だが、かなり現実離れした設定に思える。警察がホテルマンになりきり事件に潜入するのも過剰なフィクション感が満載なのは否めないが、サスペンスを楽しむには十分に興味深い設定ではある。
肝心な物語はというと登場人物が多く場面がコロコロ変わるので、しっかり集中して観てないと追いつけない感じ。
最後の犯人に関しても「一体何がやりたいねん!」としか思えない。動機も薄いし、大晦日にホテルで大それた犯行に及ぶ意味も分からない。
長澤まさみが祖母の形見として付けている腕時計が遅れていて「ホテルマンは自分の時計に頼らない」点は、どこかで伏線回収があるのだろうと思ったが、犯行現場のチャペルには時計がなく長澤まさみの腕時計を見て爆弾のタイマーを仕掛けるとは余りにも稚拙。
何で長澤まさみの腕時計を見て爆弾仕掛けてんねん!そんな大晦日から新年を迎える0時ピッタリに爆破させたかったんやったら、キッチリと時間を合わせた腕時計ぐらい、お前がハメとけや!
まぁ気になる点はあったが楽しめたのは楽しめた。キムタクと長澤まさみの関係性もよく分からず「恋愛に発展するのかどうか」のまま、今回も終わっていった。・・・・こりゃ発展しないな。
日本人が気軽に楽しむエンタメ作品としては十分に楽しめる作品であった、といったところで「カット、カット」。
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