小松美羽さんの最新画集を購入。
小松美羽 Transparent Chaos―霊性とマンダラ― 小松美羽 (著) |
昨年7月に神奈川県川崎市の岡本太郎美術館で開催された小松美羽展『岡本太郎に挑む – 霊性とマンダラ』に足を運んで、その際に会場で図録を購入した。
今回の画集は内容は「全て同じ」だろうと踏んでいたので購入を控えていたが、「全て同じ」ではなく基本的ベースは同じだが、一頁一頁めくっていくと違った作品が並んでいる。その全てをチェックするには労力がいるが、「全て同じ」ではない画集に購入して良かったと安堵する。
小松美羽の現在に至るまでを追った軌跡は見応え十分、力強く繊細で美しく圧倒的にエネルギッシュ!!
大きな目が描かれた神獣の目がギョロッと見つめてくる。「お前、ちゃんと生きてるか」と問われたかのように自分を見つめ直す。
アクリルの粒子が神々しく輝きを発しながら四方八方へと拡がりを帯び、痛烈に霊魂を揺さぶる。
人間の傲慢さや強欲を一切合切ものともせずに、純粋な魂を求めて浄化していく。
小松美羽の作品は神社仏閣に訪れた時のような人に憑いた穢れを祓う浄化作用がある。
1200年前に弘法大師空海が開山した高野山や、京都の真言宗の総本山の東寺で制作された小松美羽の「曼荼羅」は、その土地に篭って描いたからこその見えざる壮大なパワーを与えられているように思える。
アパートの一室では決して生まれないような自然ネルギー。生きものたちの声や姿を感じ取り、自身の魂と調和、融合、解放して、生まれた作品。
祈りを捧げた作品の数々に心が洗われるのだ。
神聖な場所に身を置き、自らの魂を浄化させ、無心に作品制作に没頭する。邪気を追い祓い、大いなるもののチカラを体中に浴びて描かれた絵は、小松美羽の肉体を通して描かれた神秘なるアート。
展覧会の会場が神々しく浄化されたパワースポットであったかのように、この画集も「御朱印帳」を見ている時に感ずる清らかなパワーが宿っている。
画集をめくるたびに魂が共鳴して、生きることと死ぬこと、人間や動物、生きものと目に見えない存在に気付かせてくれるのだ。
人や場所、いろんな縁を大事にしている小松美羽の生の作品を、また展覧会に足を運んで見たくなった。
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