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怪談というエンタメ。

近はもっぱら怪談を聴き漁っている。

元々は怪談は苦手で、知らなければ怖くなかった話を知ることによって、日常生活まで少し怖くなるという気持ちになりたくなかった。

怪談というエンタメ。

 
都市伝説系の話は好きなので好んで聴いていたが、怪談は避けていたのだ。

何がキッカケで怪談を聴いたのか思い出せないが、YouTubeで『島田秀平のお怪談巡り』を聴いている内に、どんどん次の怪談、次の怪談と怖い話を求めるようになった。

車中では怪談をずっと流していたり、朝起きれば目覚めの怪談、食前の怪談、食後の怪談、それこそ一日中怪談を聴いていたりする。

怪談を聴いている内に、怪談は「ただの怖い話」でないことに気付く。

怪談好きの人たちからすれば当然のことで、僕が知らない怪談の魅力はまだまだあるのだろうけど、怪談を聴き始めた僕にとっては大きな気付きであった。

怪談は内容の怖さはもちろん、語り手のテクニックによっても、その恐怖の度合いは変わる。

トークテクニックがある人は、臨場感たっぷりに恐怖怪談をじっとりと話してくれるものだ。

例えば「歩く」だけの表現でも「一歩・・・、二歩・・・、三歩・・」とゆっくりした足の運びを描写してみたり、「コツ、コツ、コツ・・」と音で表してみたり、語り口調で怪談の伝わり方は大きく変わるのである。

怪談の内容も気になるが、語り手のトークテクニックにも注意が向くようになる。

落語が同じ演目でも落語家によって伝わり方が変わるように、怪談も語り手によって伝わり方は変わる。

普段人を笑わせている芸人は、いざ怪談を披露してみても、トークテクニックを持っているので非常に怖く伝えることが出来る。

「怪談をどう話しているのか?」が、怪談を聴く面白さでもある。

怪談は怖い話だけではなく、不思議な話、少し笑える話、切ない話、イイ話まで、かなりバラエティーに富んでいるのだ。

幽霊にまつわる話だといっても、皆元々は生きていた人間である。

人間の悲しさや切なさ、恨みつらみ、はたまた優しさや思いやり等、亡くなった方にも色んな人がいて色んな想いがあるのだ。

色んな怪談を聴いていると、そこには怪談から教えられる道徳であったり、考えさせられる哲学がある。

シャレにならない恐怖体験もありエンタメと一口に言い難い部分もあるが、怪談という分野において色んな語り手のトークテクニックや、その話を聴きたがる人たちが集まり怖がっている様子は、やはり紛れもないエンタメなのだ。

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