時間がなかった。
一週間ほど両親が家に泊まっていたり、その後は脚本書いて絵コンテを描いて撮影したり、映画会での上映等々で映画を観る時間がなかった。
少しばかり映画を観る時間があったので、レビューを。
『シェイプ・オブ・ウォーター』 美しき映像が素晴らしい。 物語はいたって単純。 監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:サリー・ホーキンス |
なかなかイケメンな半魚人で、人間の女性との恋愛も特に違和感なく観ることが出来た。
映像の美しさと、水中で抱き合うシーンが、まさしく「おとぎ話」のようであった。
「何故、恋愛感情をお互いに抱いたのか?」、その点の描写はわかりづらかった。敢えてそこは省いて物語を進めていったのだろうか?
「恋愛感情を抱くのは理屈ではないので、お互いにわからぬまま抱くようになったのか?」。無論、お互いがわからないのだから、観ている者もわかるわけがない。
物語は単純な展開であった。
半魚人を保護しようとする者がいて、半魚人を抹殺しようとする者がいる。そして、二人に別れの気配が訪れる。この手の物語は、大体こんな感じ。
『クソ野郎と美しき世界』 凄く期待していただけに残念。 構成も雑でエピソードに深みなし。 監督:園子温, 山内ケンジ, 太田光, 児玉裕一 出演:稲垣吾郎, 草彅剛, 香取慎吾 |
三人のファンの方には、楽しめる映画になっていたとは思う。
だが、期待していただけに残念な作品だ。
それぞれ3つのエピソードが4つ目で繋がるのだが、構成が雑過ぎて全然上手くない。
驚きも感動もない。
1つずつのエピソードも雑過ぎて、物語に深みがない。
新しい地図の三人と、その他の出演者たちが、賑やかに騒いでいただけ。
その中でも光っていたのは、太田光監督の作品である。全編、太田光監督でも良かった。
料理に例えるならば、新しい地図の三人という食材は、素材そのものが高級食材。
食材が良いので、演技力も安心、黙って立っているだけで画(え)になる。
調理する料理人が監督だとすれば、太田光監督以外は皆ベテランで、一流シェフだ。
一流シェフたちは高級食材を手慣れた手つきで調理して、ちゃっちゃとお皿に盛りつけた感じ。技術は非常に高く、味も美味しいが、何か物足りない。
太田光監督は、食材をまじまじと見つめて、どう活かすか?どう活きるか?どう調理するか?どう提供するか?を、真剣に考えて撮ったのだろう。
作品は全体を通して観やすかったが、物足りなかった。
『獣道』 暴力は悲劇を生む。 こりゃあ獣道だ。 監督:内田英治 出演:伊藤沙莉, 須賀健太, アントニー |
まだまだ若いのに、とんだ獣道を歩む登場人物たち。
人生これからなのに、「こいつらどうなっちゃうんだろう?」そんな心配さえしてしまう。
コメディータッチで描いているので、笑えるところもあるが、なかなかヘビーな人生。
暴力はやっぱり悲劇を生む。
自分の発した暴力は連鎖して、やがて自分に返ってくるのだ。
芸人のアントニーもいい感じだった。
『オリエント急行殺人事件』 壮大な雪山の映像美は良かった。 推理ものとしてはイマイチ。 監督:ケネス・ブラナー 出演:ケネス・ブラナー, ジョニー・デップ,ペネロペ・クルス, ジュディ・デンチ, デイジー・リドリー |
20年程前、アガサ・クリスティーの小説にハマッていた時期があり、『そして誰もいなくなった』や、名探偵ポワロシリーズをドキドキハラハラ興奮しながら読んでいた。
当時『オリエント急行殺人事件』は、読んでいなかった。
1974年にも映画化されているが、それも観ていないので、本作で初めて物語を知ることに。
大どんでん返しのドキドキハラハラを期待して観ていたが、別に大した推理でもなく、何だか壮大な雪山の映像美に騙されているだけ。
雪山での物語ではなく、単なる田舎道での物語だったら、「この映画って大したことないんじゃないか?」そんな疑問を抱く。
名作をリメイクしている作品なので、それなりには楽しめるが。
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