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ミュージカル『えんとつの町のプペル』を観たのだ。

YouTubeで全編無料公開されているミュージカル版の『えんとつの町のプペル』を観たのだ。

ミュージカル『えんとつの町のプペル』
原作・脚本・演出:西野亮廣
出演:吉原光夫 , 笠井日向 , 岡幸二郎 , 知念里奈 , 藤森慎吾

 

ミュージカル『えんとつの町のプペル』

 
2021年の11月に東京キネマ倶楽部で上演されていたミュージカル『えんとつの町のプペル』がYouTubeで全編無料公開された。

絵本やアニメ映画とは違った世界観で魅せる『えんとつの町のプペル』は、物語の筋を知っていても新たなる楽しみを発見することが出来る。

アニメと違ってひとつの舞台上で幾多のシーンを繰り広げていくわけだから、「どう演出していくのか?」が非常に気になるところ。

冒頭からスコップ役の藤森慎吾が「えんとつ町」のことを一人喋りするが、藤森慎吾の天才さに引き込まれる。流暢に語る天性の輝く才能に圧巻。

少年ルビッチと父親ブルーノの配役もイイ。ブルーノ役とプペル役を兼任しているのが少し気になったところではある。物語中盤でプペルの正体は父ちゃんだったと気付くシーンが「そりゃそうだろうね」と驚けないのは確か。

ブルーノとプペルを同じ人が演じるのは最初から決めていたのか、悩んだ末にベストな答えに辿り着いたのか。一度、プペル役の別人バージョンも観てみたい。

しかし吉原光夫さんのプペル役は非常に良かった。ブルーノとの演じ分けも素晴らしい。

ミュージカル版を観ていて思ったのは物語展開を歌で説明していくので、「かなり端折ってるなぁ」との印象と同時に「スムーズに物語が進んでいく」というプラス要素もあった。

歌で説明していく分、台詞や場面で見せていく箇所を省略することが出来る。

アニメ映画版で気になったブルーノのルビッチに向けた膨大な台詞量によるメッセージも、歌に乗せれば気にならずにすんなりと受け入れられるものだ。

どんなクサイ台詞や説教臭いメッセージも、ミュージカルの歌に乗せれば何ら気にならないのは大きな利点である。

物語や台詞、登場人物を増やすことに特化せず、出来るだけ省略してプペルの世界を表現したのは凄く良かった。

クライマックスでルビッチとプペルが空へと旅立ち星を見に行くシーンでの「えんとつの町のプペル」の歌は最高に良かった。

そして空一面に星が映り「THE END」というキッパリとした終わり方もイイ。クドクドと涙ながらに感動を訴えかけてくれば逆にシラけてしまう。

ミュージカルならではの特性を活かし、出来るだけ省略しながら簡潔に物語を展開させていく演出は成功であろう。

舞台装置や美術、衣装、照明は観ているだけで楽しい。

やはり藤森慎吾には終始驚かされっぱなしで、声の良さやユーモアな立ち振る舞い、彼の登場が舞台の成功を大きく約束させたのは間違いない。

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