NHKで手塚治虫の特番観てたら、そのまま『PLUTO-プルートゥ-』の舞台版が放映された。
テレビを消したかったんだけど、観るっきゃなかった。
『PLUTO-プルートゥ-』
・出演者
森山未來
永作博美
柄本明
吉見一豊
松重豊
寺脇康文 ほか
・演出・振付
シディ・ラルビ・シェルカウイ
先ず驚いたのは、多分ほとんどの方は驚くと思うが、ロボット刑事のゲジヒトの妻が永作博美ってのは文句ないんだけど、永作博美が二役でアトムの妹ウラン役も演じている件である。
それで驚いていたんだけど、永作博美のウランが全然カワイイ。いわゆるイタくない。この人、いつまでも若い。少女の役が出来るなんて驚くべきところだ。
舞台って映像と違って何でもアリなところがあるから、それを受け入れられるならば、どんな設定であってもいい。日本人が平気で外国人の役をするし、歌舞伎でいえば男性が女形をするし、宝塚では女性が男を演じる。
何でもアリな世界だけど、ウランを演じきった永作博美はスゴイ。アマチュアが演じると、わざとらしい子供の声を出して非常にイタくなるのだが、そうはならなかった。さすがプロである。
演出をシディ・ラルビ・シェルカウイって人が担当しているんだけど、慣れるまでダンサーの人達が邪魔で仕方なかった。「なんやねん!」って思ってしまうほどに余計な演出であった。
アトムやウランの周りを、白い男たちがなんかやっている。意味不明である。
「うわー、目が散るわー」ずっと存在するわけではないんだけど、ところどころに現れる。途中で不思議と慣れてきたけど。この演出は見せどころであると意図しているのだろうが、物語を楽しむのには邪魔でしかない。
ダンサーの方々が素晴らしい演技をしていると評価したとしても、この場面で必要なのは役者たちの演技で、役者の演技の素晴らしさをダンサーが邪魔していたとしたら何の意味もない。
物語も演技も目が散って仕方ない。
しかし漫画原作との舞台化ということで漫画のコマ割りを舞台装置として、白いブロックを色んなカタチに変化させて面白く演出していた。
漫画の世界観と演劇を融合させて、視覚的に楽しませてくれる。この場合は目が散るということもなく、背景にも目を奪われるという素晴らしい演出であった。
NHKって、こういう放映をしてくれるから、受信料払ってて良かったと初めて思った。
PLUTO (プルートウ) 全8巻完結セット (ビッグコミックス)
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