松本清張作品『疑惑』を観たのだ。
松本清張ドラマSP『疑惑』 悪女二人のぶつかり合い。 松本清張が描く、人間のドロドロ。 演出:松田秀知 出演:米倉涼子 , 黒木華 , 余貴美子 , 板尾創路 |
松本清張作品の中でも屈指の人気を誇る名作サスペンス『疑惑』を、米倉涼子主演でスペシャルドラマ化。
『黒革の手帖』や数々の清張作品で悪女を演じてきた米倉が、“悪女に手を差し伸べる敏腕弁護士”佐原卓子役に挑戦。
“保険金目的で夫を殺した”疑惑にまみれる白河球磨子役を黒木華が演じる。
2019年2月3日放送 / 101分 / テレビ朝日
どんな手を使ってでも真実を追求し、その有能ぶりとは裏腹に「最低の弁護士」とも揶揄される佐原卓子(米倉涼子)のもとに弁護士・原山正雄(津川雅彦)から直々の依頼が舞い込む。
体調が思わしくない原山は、ある女性の弁護を引き継いで欲しいという。
その女性とは、疑惑に満ちた事件の渦中にいる白河球磨子(黒木華)。世間から「鬼クマ」と呼ばれ、好奇の目に晒されている悪女であった。
昔から定期的にドラマ化される松本清張の原作もの。実はしっかりと観たことがなく松本清張についても馴染みはない。
ドラマ化される度に話題になるので少しばかりは観ておこうと思い、今回『疑惑』を観た。主演の米倉涼子は松本清張ドラマの常連である。
スマホを主人公が所持していることで時代背景が現代であることはわかるが、オープニングはかなり昭和感があった。松本清張の世界観を現代に投影させることでのアンバランス感。
悪女を演じる黒木華と、更に負けず劣らず気の強い敏腕弁護士を演じる米倉涼子。二人のぶつかり合い、演技合戦は本作を楽しむひとつの見どころである。
黒木華が殺人容疑で逮捕された事件を、どう裁判で「無罪」へと立証していくのか。どんな推理が行われ、結末での気持ちイイどんでん返しがあるのか。初めて松本清張作品を観る者にとって期待は高まる。
車内に残された右の靴とスパナ。自らブレーキをかけられなくするため。夫による妻への心中と見せかけた殺人未遂。裁判で明らかになっていくが、「え?それだけ?」と肩透かしを食らう程の簡単な推理。
右の靴とスパナの謎を推測出来たわけではないが、「なるほど!そうだったのか!」と驚く程のものではなかった。そりゃ、頭の悪そうなオジサンが犯行に及んだのだから、巧妙なトリックは思いつかないだろう。それにしても安直過ぎた。
ひとつ引っ掛かるのが車を目撃した男の「助手席に男性が乗っていた」との証言。この証言の謎が解明されていなかったはずだが、一体何だったのか?解明シーンを見逃してしまったのだろうか。凄く大事な証言だと思うが。
推理ものとしては大したことないが、松本清張が描く人間のドロドロを楽しんで観る作品なのかもしれない。
他の松本清張作品も観ていこう、と思ったところで「カット、カット」。
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