キムタク×綾瀬はるか主演の『レジェンド&バタフライ』を観たのだ。
『レジェンド&バタフライ』 合戦シーンをバッサリ省いた戦国もの。 「本能寺の変」での信長の妄想シーンは秀逸。 監督:大友啓史 出演:木村拓哉 綾瀬はるか 伊藤英明 |
東映70周年を記念して製作され、織田信長と妻の濃姫の知られざる30年の物語を描いた歴史大作。
織田信長を演じるのは『織田信長 天下を取ったバカ』で信長を演じた経験を持つ木村拓哉。
『織田信長 天下を取ったバカ』 |
信長の妻、濃姫を演じるのは『はい、泳げません』の綾瀬はるか。
『るろうに剣心』シリーズの大友啓史が監督。
『コンフィデンスマン JP』シリーズの古沢良太が脚本。
2023年製作/168分/PG12/日本
配給:東映
尾張の織田信長は、敵対する隣国・美濃の濃姫と政略結婚するが、威圧的な態度の信長と濃姫はそれに怯まず対抗する。
最悪な出会いを果たした二人は互いを出し抜いて寝首をかこうと一触即発状態。
ある日、尾張に今川義元の大軍が攻め込まれ圧倒的な戦力差に絶望しそうになる信長だったが、濃姫の言葉に励まされ戦術を練って奇跡的な勝利を収める。
いつしか強い絆で結ばれるようになった信長と濃姫は、天下統一へと向かって共に歩み出していく。
経済効果39億円46万人の大フィーバー!!キムタクが信長に扮して参加した「ぎふ信長まつり」のニュースを受けて「こりゃぁ『レジェンド&バタフライ』大ヒットするなぁ」と予測したが、「赤字、大コケ」等のマイナスなニュース記事も目に触れた。結果は興行収入が20億突破したので、何とか製作費は回収出来たようだ。
キムタクと綾瀬はるかが共演するともなれば話題になるのは間違いない。
またキムタクが信長役を演じることで現代のスーパースターと、歴史上の人物で大人気の織田信長の組み合わせは興味が惹かれる。
映画は168分もある大作。ちょいと気軽に観るには躊躇してしまう時間ではないか。
信長を描いてはいるが、メインは綾瀬はるか演ずる濃姫とのラブストーリーだろう。そんなラブストーリーで168分は正直長い。二時間以内に収めて欲しかった。
戦国ものとして重厚な「織田信長」と、キムタクと綾瀬はるかのラブストーリーでは観るターゲット層が違う。普段あまり劇場に足を運ばないライトなお客さん相手に168分は長いのだ。
織田信長が主役でありながら本作は合戦のシーンがほぼないに等しい。桶狭間の戦いも合戦シーンをバッサリと省き、勝利のシーンだけ。
織田信長を期待していた方にとっては迫力ある合戦シーンを観たかったのではないだろうか。もちろんラブストーリーがテーマなので合戦シーンは特に必要ない。
合戦シーンはない代わりに浮浪者たちを相手に、おぞましい斬り合いの惨劇が行われる描写があった。これは信長を観ているというよりは、侍が死闘を繰り広げる時代劇を観ているような感じだ。
キムタク主演の『無限の住人』を思い出してしまうではないか。
『無限の住人』 |
最初に驚いたのは若かりし頃の信長を演じるキムタクが本当に若者に見えたことだ。とても50代とは思えない。
アクション経歴のある綾瀬はるかがキムタク相手にアクションを繰り広げる様も楽しめる。
ラストの「本能寺の変」での信長の妄想シーンは秀逸だ。城の地下の抜け穴から逃亡。濃姫のもとに辿り着いた信長は濃姫と一緒に船で渡る。途中「タイタニックか!」とツッコミを入れたくなるシーンも見え、「おいおい、お前の野心のために多くの人たちの命が奪われていったのに、お前は海外へ逃亡して呑気に暮らすのかよ!」と思った。
流石に海外逃亡のラストは妄想にしたようだ。個人的には海を渡る船のシーンで終わっても良かったと思ったが、それじゃ納得出来ない人たちが不満爆発だろう。
キムタクがカッコイイので168分を持たせるチカラはあるのだなぁと思った、といったところで「カット、カット」。
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