久しぶりに映画を観た。
ゴールデンウィークに20本位観まくって、その反動なのか、映画を観ていなかった。
では、久しぶりにレビューを。
『それでもボクはやってない 』 痴漢は悪。許してはいけない。 だけど冤罪もたまったもんじゃない。 監督:周防正行 出演:加瀬亮, 瀬戸朝香, 山本耕史, もたいまさこ |
最近ニュースで痴漢の報道が多く、痴漢の容疑者が駅のホームから線路に飛び降り走って逃げる。
それほど痴漢で捕まることは社会的ダメージが大きい。
痴漢を許してはいけないし、被害にあった女性は泣き寝入りしない方がいい。
味をしめた痴漢はまた繰り返す。
その一方で冤罪も問題である。
痴漢に間違えられたら終わりで、逃げたくなるのもわかる。
本作を観ていたら、どの立場にも正義がある気がした。
被害者の女の子、冤罪で捕まった主人公、警察に裁判官。
警察は乱暴に主人公を責めるが、その気持ちもわかる。
本当に痴漢をしていても、しらばっくれるヤツが多いのだろう。
優しく話しかけているだけでは、自分の罪を認めないヤツもいる。
考えさせられる内容であり、役者の演技等リアリティーがあった。
法廷で痴漢された女子高生がボソボソ話すところも良かったし、傍聴マニアも良かった。
『アフタースクール』 脚本力の高さゆえに、 裏読みして観てしまうところが難点。 監督:内田けんじ 出演:大泉洋, 佐々木蔵之介, 堺雅人, 田畑智子 |
内田けんじ監督の『鍵泥棒のメソッド』は内容を全然知らないで観たから、脚本力の高さにまんまとハマりすごく面白かった。
今回はそのことで、観る側である僕の期待値のハードルが上がり、どんなシーンを観ていても裏読みをしてしまう。
そのシーンをそのまんま受け入れられない。
「何か裏があるんだろうなぁ」と思ってしまって、案の定、裏があるものだから驚きがない。
脚本力の高さを知っている人は、その裏を楽しみにしながらも素直に観ることが出来ないのが難点である。
作品に罪はなく、観る人の先入観に問題があるので難しい。
『新宿スワンⅡ』 スケールを大きくしたがるけど、 スケールよりもストーリーが大事。 監督:園子温 出演:綾野剛, 浅野忠信, 伊勢谷友介, 椎名桔平 |
大好きな園子温監督作品。
街のシーンやアクションシーンを格好良く撮るには申し分ない。
しかしシリーズものというのは、シリーズが進むごとにスケールを大きくしていく傾向にある。
そりゃ、1よりも2の方が派手にしたいものだ。
2になったら「レインボーブリッジ封鎖出来ません!!」と派手なことをしたくなる。
本作もスケールは大きくなった。
新宿VS横浜は良かったし、浅野忠信も格好良かった。
だが個人的には2よりも前作の方が好きである。
広瀬アリスがコンテストで変なダンスを披露して、「素晴らしい」と言って観客が大きな拍手とともに感動しているけど、あれはシラけた。
上地雄輔は怖い役をよくするが、全然怖くない。
人の良さが顔に出ている。
前作がヒットしたことで園子温監督も求められているのは仕方ないが、やはり僕は園子温監督のオリジナル作品が好きなのだ。
『アウトレイジ ビヨンド』 北野武監督のエネルギッシュな 感性は、嬉しいかぎりだぜ。 監督:北野武 出演:ビートたけし, 西田敏行, 三浦友和 |
『アウトレイジ』に関しては、1よりも本作の方が面白さが倍増していた。
『それでもボクはやってない』を観たばかりだから、加瀬亮の演技の変わりようはスゴかった。
前半でどんどん調子に乗っているから、後で酷い目に遭うのが笑える。
残酷なシーンだが笑えた。
北野武監督の暴力描写は本当に上手い。
暴力や残酷なシーンにも、笑えるところがある。
逆に切ないところもある。
ヤクザ映画で思いっきり娯楽映画に振り切り、ガンガン言葉でぶつかり合い、バンバン撃ちまくる、北野武監督のエネルギッシュな感性は嬉しい。
イイ意味でクレイジー。
役者陣の演技も面白いし、元気のある映画がどんどん日本映画を盛り上げて欲しい。
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